ロックのレビュー一覧

  • 市民政府論

    Posted by ブクログ

    プーチンが横暴なロジックでウクライナに侵攻する今、ロックの著書を読むことの意味とはと思ってしまう。
    本書でロックは、民主主義と自由主義についてその正統性を説く。市民は自由に財産・生命・自由を自らの意志に従って保全する権利があるということ。そして立法権や執行権は一度社会契約として権力側に引き渡しているが、権力は市民の所有権を保全する形で権力を行使する必要があること。市民は権力が市民の権力を犯していると判断した場合には戦う権利を持っていることを論ずる。
    それにしてもこの著作が書かれ、イギリスで名誉革命が起こったのが17世紀であることを考えると人類の進歩のなさに驚きを感じる。この思想を実現するために

    0
    2022年04月15日
  • 市民政府論

    Posted by ブクログ

    イングランド生まれのジョン・ロックによる政治論・国家論『市民政府論』

    この書はのちのアメリカ独立宣言やフランス革命思想の元になった歴史的名著である。

    ホッブスの『リヴァイサン』に対して、
    ロックは人間は本来ほっておいたら仲良くしているという前提に立っているところが一番の相違点。
    自由主義や民主主義の父といえる存在である。

    また、ロックは別の著書『寛容についての手紙』で政教分離という極めて明瞭な思想を展開しこれもまた非常に面白い本だが、聡明な人物だ。

    人民と国家との在り方を書いたこの本には、
    今読んでも古びていない内容であり、
    欧米の国家の様相はこの本抜きでは語れないといえるだろう。

    0
    2019年01月22日
  • 市民政府論

    Posted by ブクログ

    フランス憲章や米独立宣言の礎となった自由民主主義の祖である、ホップス・ロック・ルソーと続く社会契約説の古典思想書。本書では人間が根源的に持つ所有権について述べ、自然状態の明瞭さと不安定さ、それに対する立法部の役割と重要性を説く。当時の思想的大勢を念頭に、本書の与えた影響度や衝撃度を推察しながら読むと面白い。

    0
    2024年07月22日
  • 市民政府論

    Posted by ブクログ

    1689年に発行された政治・国家論であり、いわゆる歴史的名著とよばれるものだ。キリスト教が基軸にある、産業革命前にある、など、現在とは前提が違う点を除けば、現在の民主主義、自由主義の考えにも通じるものが多くあり、まさに基本理念だ
    当時は君主制度が根幹にあったが、その権力は古来に民主主義で決まったものであることから説明しているなど、論説のような文章となっているので、読みやすい(それが諄く感じられるかもしれないが)

    また自由主義の根源を語るために、個人の権利、そして父親の権利・義務に関しても、多くの紙面を費やしているのも特徴だろう。ここでは男性は女性より優れているという、時代錯誤な内容もあるが、

    0
    2021年06月05日
  • ジョン・ロック~「統治二論」より~

    Posted by ブクログ

    APUの出口治明学長の最新刊「還暦からの底力」の中に、必読の古典が紹介されている。ジョン・ロックの「統治二論」がその中の一冊である。U-NEXTから漫画で読んでみた。古典はハードだけれど、漫画であれば概略の理解に時間がかからない。
    民主主義の危機が叫ばれる今こそ、必読の一冊ですね。

    0
    2020年07月07日
  • ジョン・ロック~「統治二論」より~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    普段社会思想の本を読まないので読みやすいものをと購入。ロックの著作に影響されてイギリスからアメリカへわたり成功する若者の物語。
    冒頭に「抵抗権」と銃の所持について、その2つはセットで語られことは多いがそれは誤解だと導入される。ストーリー進行につれて統治論、抵抗権をあっさりとではあるが描いてくれる。
    抵抗権=銃の所持ではないのだとはいうが、書いていないというだけで、アメリカ人はなぜ銃の所持と結びつけがちなのかまでは言及していないのが冒頭のアオリに対して竜頭蛇尾な感じが否めない。
    アメリカ独立戦争史の復習にもなる。フレンチ・インディアン戦争を名前しか覚えておらず、フランスvsアメリカ原住民だったっ

    0
    2020年01月25日
  • 市民政府論

    Posted by ブクログ

    日本の憲法がロックの思想を基礎として作られ、論じられていることがよくわかった。
    君主の力を制限して民主主義を実現する考え方が、今から300年も前に存在していた事に驚く。
    現在、ロックの考え方を踏襲していると考えられる日本。果たして300年前のイギリスと同程度に民主主義が成熟していると言えるか。不安すら覚えた。

    0
    2012年06月04日