乗松亨平のレビュー一覧

  • ロシア宇宙主義全史 神化思想からトランスヒューマニズム・人新世へ

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    新鮮でかなり面白かった。
    現代に生きる私にとって「人が神になる」なんて話は荒唐無稽で、無意味な論に感じる。
    本書の序盤はざっくり言えばそういう思想の紹介からスタートする。先祖をみんな神のように復活させて、人類は一つになるのだ〜といった風な思想がロシアに芽をだした話だ。
    だがそこから広がっていく「個と全体」の関係の思想は、徐々に現代との繋がりを匂わせてくる。
    トランスヒューマニズム/シンギュラリティ思想における「人が神になる」思想がどんな特徴を持ったものなのか。
    環境問題という「全体」の問題と「個」である私の関わり方はどういう形があり得るのか。
    ロシア宇宙主義という西洋哲学とも日本の思想ともかなり違う思想から物事を見た時の強烈な視差から、新たな認識が呼び起こされ、色々な問題の見直しに繋がる橋が見えた

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    2026年09月26日
  • ロシア宇宙主義全史 神化思想からトランスヒューマニズム・人新世へ

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    ロシア宇宙主義という思想の重心は「個と全体の関係」に置かれており、その関係を検討する過程で生じる矛盾を如何に解決するのか、これがこの思想の肝なのだと思いました。「個と全体の関係」と言えば、以前問題になった過剰なポリコレ配慮や、多様性の押し付け(所謂寛容のパラドックス)等々がありましたが、それらに視座を与えてくれる、今も色褪せない思想だと思います。

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    2026年03月08日
  • コサック~1852年のコーカサス物語~

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    人が、獣が、山が、これほど生き生きとした物語はほかにあるだろうか。
    若きオレーニンから、若きトルストイから吹き上げる爆風を、ぜひ全身で感じてほしい。

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    2015年08月21日
  • コサック~1852年のコーカサス物語~

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    ネタバレ

    ロシアの文豪・トルストイの初期の作品。
    無気力な生活を送っていた青年貴族・オレーニンが軍隊に志願し、中央アジアのコーカサス(カフカス)へ赴任。
    雄大な自然に抱かれ、コサックの生活に溶け込み、村の娘に恋をする。
    コサックの生活様式、文化、狩猟と酒、チェチェン人との関係などが描かれています。
    遊牧民の描写では、やはり東洋的な要素が垣間見えます。

    巻末には訳者による解説があり、ロシアにとってのコーカサスの位置づけ、ロシア文学の題材としての役割、こんにちも残るチェチェン問題、またトルストイの略歴と文学の過程も述べられています。
    トルストイ自身の若き日の経験も盛り込まれているそうですが、のちの『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』とは趣きの違う作品だそうです。

    ニン、トン♪

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    2012年08月19日
  • コサック~1852年のコーカサス物語~

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    ロシア貴族の若者が、コサック地方に赴き、そこの自然と人々に触れることにより自分を見つめ直していく物語。
    カジュアルな訳文ですらすらと読める。物語としての大きな展開はないが、だからこそ細部の心情や行為にしみじみし、余韻が残る。

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    2012年08月16日
  • コサック~1852年のコーカサス物語~

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    最初はコーカサス地方の情報処理にてこずってしまった。ロシアに住んでいたキリスト正教の青年が戦争を通じ、土地の遊牧民の生活に惹かれていく。なんだか読んでいて、旅先だからこその大胆さを主人公が発揮してるような印象。コサックは流れてきた人達なのかな。元々いるタタール人の方が上品だという表現がある。動物を飼育し、けして洗練された生活でない中で、女性でも気が強く合理的に自分の意見を持っている。この土地の爺さんを主人公にした別の話も読んでみたい。なかなか遊牧民の生活風景に触れる作品がない。

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    2018年11月03日