【感想・ネタバレ】ロシア宇宙主義全史 神化思想からトランスヒューマニズム・人新世へのレビュー

あらすじ

人間の限界を突破し、時空間の無限に到達せよ!

宗教哲学者フョードロフの「人類復活」、共産主義者ボグダーノフの「血液交換」、ロケット工学の父ツィオルコフスキーの「完全生物」、生物地球化学者ヴェルナツキーの「精神圏」、歴史学者グミリョフの「新ユーラシア主義」……人間の不死・復活および宇宙進出を謳う「ロシア宇宙主義」。その法外な思想に一貫して賭けられていたのは、個と全体のありうべき関係をめぐる理念、そして「独自のロシア」の構築だった! 西欧との同時代的相関性も睥睨しながら、現代のアメリカ・シリコンバレーを熱源とするトランスヒューマニズムや人新世の問題にまでのびてくるその射程を「全史」として描き切る、第一人者による総合的かつ野心的な試み!

イーロン・マスクと同じ夢を100年前のロシアで見た人たちがいた――

[目次]
はじめに
第一章 近代ロシアの空間表象――ロシア宇宙主義前史
一 無から無限へ
二 ロシアとアメリカ
第二章 フョードロフ――全人類の集合神化
一 人類復活の事業
二 人間の神化
三 自然統御の工程
四 メシアニズムの地政学
第三章 宗教哲学とコミュニズム――集団神化の実践へ
一 宗教哲学ルネサンス
二 コミュニズム
第四章 ツィオルコフスキー――無限の進化と優生思想
一 革命文化とロシア宇宙主義
二 無限の進化の夢
三 個と全体の原子論
第五章 ヴェルナツキー――進化の統御(不)可能性
一 太陽と生物圏
二 「生の跳躍」から「精神圏」へ
第六章 トランスヒューマニズムと人新世――ロシア宇宙主義後史
一 テイヤールからトランスヒューマニズムへ
二 ヴェルナツキーから人新世へ
おわりに

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Posted by ブクログ

ロシア宇宙主義という思想の重心は「個と全体の関係」に置かれており、その関係を検討する過程で生じる矛盾を如何に解決するのか、これがこの思想の肝なのだと思いました。「個と全体の関係」と言えば、以前問題になった過剰なポリコレ配慮や、多様性の押し付け(所謂寛容のパラドックス)等々がありましたが、それらに視座を与えてくれる、今も色褪せない思想だと思います。

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2026年03月08日

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