後白河法皇のレビュー一覧

  • 梁塵秘抄

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    (遊女)遊びをするために生まれたのか。戯(たわむ)れをするために生まれたのか。(無心に)遊んでいる子どもの声を聞いていると、自分の心も揺れ動いてしまう。※貴族の前で遊女が演じた歌を集めてまとめたもの。後白河法皇『梁塵秘抄』1180

    道長批判。『大鏡』
    道長賛美。『栄華物語』
    *平安後期。院政。

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    2023年06月24日
  • 梁塵秘抄

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    あなたの 約束 忘れない
    信じて 信じて 待っている
    あなたの 名前を呼ぶだけで
    ほんとの 幸せ やってくる

    誰が歌っている演歌だろうか?いや、そうじゃない。今から900年ほど前、京の都を中心に流行した「今様」という歌謡の歌詞を川村湊さんが今様に訳したものです。
    本歌はこうです。

    阿弥陀仏の誓願ぞ 返す返すも頼もしき ひとたび御名を称うれば 仏になるとぞ説い給う

    大嘘じゃないか!百歩ゆずって意訳のし過ぎじゃないか!と思うだろうか?私はそうは思わない。当時、庶民にとっては阿弥陀仏は単なる仏様ではなかった。仏像や歌い手は時にはアイドルそのものだった(参考 五木寛之「親鸞」)。庶民がこの歌を歌

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    2020年11月14日
  • 梁塵秘抄

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    原文をチラチラ見ながら、大胆に現代歌謡曲の歌詞風に翻案して感性で読ませる斬新なスタイル。ふむ、こうやって移し替えるのか、とニヤリとできる楽しみがあった。肩の凝らない古典でありながら、「遊びをせんとや生まれける・・」は読みようによって、人としての根幹を揺すぶる素朴な力がある。かようなものを後世に残してくれた後白河法皇の日本文化への貢献は、まっこと素晴らしいです。

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    2020年01月25日
  • 梁塵秘抄

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    狂言綺語のあやまちは 仏を讃むるを種として 麁き言葉も如何なるも 第一義とかにぞ帰るなる(原歌222)

    伝聖徳太子『法華義疏第一の序』に、「妙法者外國薩達磨然妙是絕麁之号法即此經中所說一因一果之法也言此經中所說一乘因果之法超然絕於昔日三乗因果之麁稱妙」とあり、漢字「麁」の使用からアイディアの引用を感じさせる(明治45年佐佐木信綱『増訂梁塵秘抄』には平仮名での記載だった、山田孝雄文庫写本では朱筆で「麁」の注あり、第一義が「大智き」)が、そのような考察がされていない。謎の現代唱歌は不要であるが、法華経の原典からのアイディアの引用を明示して論じた書はないものか。本書に収録されていない、「戯れ遊びの

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    2025年11月06日
  • 梁塵秘抄

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    中世あたま(平安時代末期)に後白河上皇が集めた今様集。
    基本的な構成は、昭和歌謡風の現代語訳・原文・訳者の解釈やコメントからなるパートが100個。

    これは現存している梁塵秘抄の一部を取り出したもので完訳ではない点、出版から10年足らずで訳自体の現代感覚がすでに過去のものになっている(まあ10年ちょっと前のおじさんの感覚と、今の30代の感覚が合うことはない)ことに留意する必要はあるけれど、読んでいて楽しかったから、まあよいし、こういう試みの面白さが、初期の光文社新訳文庫の強みだったとも思うし。

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    2023年10月22日
  • 梁塵秘抄

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    「一週間のご無沙汰です。歌は時代とともに、時代は歌とともに。神仏讃えるその歌も、恋の謡へと変えましょう。平安時代の流行歌『後白河・歌のアルバム』、古人の思いを言葉にのせて...』そんなナレーションをつけたくなるような、思い切った翻訳の梁塵秘抄です。訳そのものは若干、悪乗りしすぎていたり乱暴な気もしますが、そのままでは硬く身構えてしまいそうな今様を身近に感じさせてくれます。昭和歌謡テイスト溢れるアレンジなので、若い世代には古臭く感じられるかもしれませんが、こういった試みは良いと思います。

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    2012年11月18日