スーザン・コリンズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
セジャナスとスノーの生き方は現代人からするとスノーの考えの方が共感されるのではと思った。いくら正しくないとは思っていても、権力に抗って、明確なデメリットがあるにも関わらず、反逆行為を行うのはとても難しい事だと思った。それとは異なり、スノーは判断はいつでも論理的だったと思う。セジャナスを裏切った時も、ルーシーと逃げる事を決意した時も、キャピタルに戻る時も。ルーシーは生きているのだろうか?ルーシーは何を考えていたのだろうか?何故ルーシーはビリートープの歌ばかり歌うのだろうか。疑問が多く残ったが、終盤にいくにつれて胸が締め付けられるような気持ちになった。とてもいい本だ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ後半からどうなるのだろうと思っていたが、セジャナスからの怒涛の展開に驚愕。蛇やバラなどは面影はあったけど、一気に来た感じ。
ルーシーグレイの童話の通り、最後彼女はどこに消えたのだろうかと、含みを持たせる形だった。マネシカケスと一緒に飛んで行ったのか、死んだのか、13地区へ辿り着いたのか。
また途中でカットニスという名前がよく出たが、モードアイボリーが1のカットニスの先祖とか繋がるのだろうか。8歳だし、その前にハンガーゲームに選ばれてやられそうだけど。。
音楽、首吊りの木とかの歌は1でもよく出ていたから懐かしくなった。読んだの10年以上前だし、読み直したくなってきた。 -
Posted by ブクログ
上巻でハンガーゲーム自体はおわってしまったから何が綴られているのか期待とハンガーゲームとしてのストーリーがない落胆感を感じながら本書を読みはじめた。
上巻より印象的なシーンは少なかった。また上巻よりちょっと自己中心的なスノーをみて人間はこんなにも持っていたものを失うと変わるのかということを痛感させられた。
結局彼はキャピトルの人間なのだと思わさせられた作品だった。どんなにキャピトルに酷い目に遭わさせられても、常にキャピトルが正しいという忠誠心には驚かさせられた。
最後のどんでん返しには笑った笑笑
スーザンコリンズの作品はいくつになってもやっぱり好きだ -
Posted by ブクログ
飢えのゲームというタイトルだったが、主題は「国家とは」にありそう。ホッブズの万人の万人に対する闘争を再現する場としてハンガーゲームは描かれていたと思う。ハンガーゲームを舞台として強調されていたのは、支配される人間と支配する人間が根本的には同じ人間だという事。それを作中嫌な人間として描かれる先生が言うのは印象的だった。支配する側であるキャピタルの学生が、支配される側である地区の人間をあくまで道具や動物として捉える様は学生自体は悪意は感じないため妙にリアルで、それ故の恐ろしさ、人間の危うさを感じた。こうした作品を読む時にはいつも感じるが、奴隷制度や支配関係は実際の歴史であったものであり、現代と地続