永田洋子のレビュー一覧

  • 十六の墓標(上)

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    警察など外側からの情報ばかりを読んでいた。
    内側の人が何をして、何を考えていたのかを知りたかった。
    狂っていたわけではなかったならば、どうして総括の名の下悲劇的なことが起こったのか。上巻は永田洋子の生い立ちから森との接近が記されている。

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    2010年05月02日
  • 十六の墓標(下)

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    宗教、思想、哲学を規範や戒律、教義として自らに課し、また、それとは並立する形で法律があるというのが人間社会である。しかし、それらは全て不完全であり、故に、過ちを繰り返しているというのもまた、我々の歴史である。この過ちを修正する仕組みが民主主義や、ファッショ、あるいは共産主義などの主義、あるいは暴力だ。未成熟な思想を持ち、不完全な主義を標榜し、その矛盾を暴力で埋めようとした。暴力は、同調圧力を起こし、狂気となり、殺人に発展した。

    盲従は常に危険である。

    この事には当事者は気付かない。しかし、宗教となると、やはり、これは盲従すべきものなのである。従い、人間社会とは、常に未成熟な状態の中で、テロ

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    2015年07月25日
  • 十六の墓標(下)

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    痛ましい山岳ベース事件は、100%特殊な人が引き起こした訳でもなく、日本の軍隊的なしごき、いじめの要素が十二分に含まれていることが本書から分かります。
    そこまで特殊でない幾つかの要因が重なるだけで、同じ事件が起こり続けるのでしょう。

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    2020年11月28日
  • 十六の墓標(上)

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    山岳ベース事件などを起こした中心人物の一人、永田洋子氏の一人語り。
    本人の見解には納得できない部分も多く、また若いとしかいいようがない感覚も多く見受けられ、16人(これがタイトルの由来)も殺害した人間の頭の中かと思うとやりきれなくもなります。
    ヒロイックな部分もあります。

    一方で、極力誠実に出来事とその時の自分の思考を記そうとする姿勢は伝わってきて、教訓とすべき内容が多いとも感じました。

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    2020年11月28日
  • 十六の墓標(下)

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    連合赤軍のナンバー2・永田洋子が生い立ちから事件を起こして逮捕されるまでの半生を記した自伝。
    上巻では暴力的な描写はほとんどなかったが、下巻からリンチが始まり、残酷な場面が続く。

    言われてるほどひどい本ではないなあと思った。彼女なりに正直に書こうとしている気はした。

    ただ、瀬戸内寂聴の「永田さん以外の人物は生き生きと描かれているのに、永田さん本人の姿だけははっきり見えてこない」という感想には同感。

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    2019年08月06日
  • 十六の墓標(上)

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    連合赤軍のナンバー2・永田洋子の自叙伝。上巻は著者が左翼運動に参加するまでの生い立ちや、後に大量の死者を出す山岳アジトを設立するまでのいきさつがメインで、まだリンチシーンは無し。

    ダイナマイトを調達したり銃砲店から銃を奪って指名手配になったり、テロリストとして過激な活動をする一方で、山岳アジトで飲み会を開催するなどわりとほのぼのとした場面もあったことが印象的。

    何人かの連合赤軍関係者が著書を発表しているが、この作品は結構読みやすい方だと思った。左翼的な思想というより、その時その時で感じたことがストレートに書いてある感じなので、分かりやすかった。
    ただ、著者の元夫曰く著者の話は客観性を欠いて

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    2019年08月03日
  • 十六の墓標(上)

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    日本という国にいながら、全く異なる法律や文化の組織を作る事ができる。オルグする事ができる。そして人間は、国家を横目に、その組織の論理を優先させる。その中では、脱落者に対する殺しすらも正当化されたのだ。革命左派や、連合赤軍のイデオロギーは、稚拙だ。永田洋子が、ドキドキしていた活動は、まるで学生のサークル活動のようなもので、全くイデオロギーを純化させ、見つめ直すような集団の中での洗練が為されないまま、目的が必要を生み、必要が手段を強制し、強制されるがまま、動いている。目的は正しいか?集団になると、この心変りは、組織の結成や規律、維持において致命的だ。従い、低い知識レベルで目的を設定してしまった集団

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    2015年07月04日