古森重隆のレビュー一覧
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売上げと粗利の大部分を担ってきた銀塩フィルム市場が急速に失われていく中、社長として何を考え、どういう決断をしたのかを古森社長自身が記した一冊。もちろん古森社長自体の先を見通す目、経営判断は素晴らしいと思うが、富士フィルムにとって幸運だったのは、銀塩フィルム市場は失われつつあるが、写真市場自体がなくなった訳ではないこと(銀塩→デジタル)、創業以来、培ってきた技術と技術者がデジタル写真や化粧品といった他市場においても活かせる環境にあったことだ。もしそういった環境がなくてもSATOのようにまったくの他業種に転換できる道も残されていたとは思うが、その道は果てしなく厳しいものであったに違いない。コダック
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Posted by ブクログ
主幹事業が衰退した時のお勉強。
要するに、経営の構造改革を行い、技術とニーズを照らし合わせて新規事業を計画するということ。そのときには、徹底した調査を行い数値に基づき考え抜き、現状と将来を「読む」。方向が決まったら周知して現場を動かす。
おそらくこの方は粘着質。共感するのは難しいが、これも一つの勉強と思い、がんばって読みきった。
第二の創業
・写真文化を守る
・フレーキを踏みながらアクセルも踏んでいる
・技術とニーズを照らし合わせ、新規事業を模索する→四象限マップ
・商品が作れる作れないで選ばない。勝てるで選ばない。勝ち続ける力があるかどうかが選択の基準
・議論は社内だけで行う。最大限の情 -
Posted by ブクログ
ネタバレ忘れてならないことは、人間は基本的に自分で育つものであるということだ 伸びることができる人の条件として、会社を思う気持ちが強い人、オーナーシップを持って会社のために仕事ができる人だ 日本人の一番すごいところは、努力すれば成功すると確信を持っていることだ 「その問題を解決するために自分はなにが出来るだろうか」と考えるようになった See-Think-Plan-Do競争することの大切さを子供たちに教えよ
20211016
われわれは写真を、人間にとって極めて貴重な本型と考えている
写真フィルムの主な原料はゼラチン、つまりコラーゲンだ。そして人間の肌も、その70%はコラーゲンで構成されている
ベス -
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経営者が最終的な判断を外部の人材の助言に頼ろうとするならば、そんな経営者は即、辞めたほうがいい。
一度決めたことは、結果が出るまで断固として周囲を引きずってでも実行する。それが結果に現れる。
ビジネスはある意味、勝つか負けるかの戦争である。どこの世界に兵隊一人ひとりの考えを慮って戦う指揮官がいるのか。また、敵軍が迫っている中、指揮官の命令に反発する兵士はいない。
やらなければならないことを躊躇したり、気にしているようでは、リーダーは務まらない。
タフでなければ生きていけない。しかし、やさしくなければ生きてる資格がない。←引用
See:事実情報をよく把握する。
Think:アイディアに飛 -
Posted by ブクログ
写真市場が縮小する中、事業ポートフォリオを上手く切り替えて躍進した富士フイルムの社長本。
「戦い」という言葉がよく出てくるように、非常にリーダーシップの強く、かつ自身も率先して働くタイプの経営者だと思う。
青木HDの社長の本と比較して何か違いがあるような気がしたが、この本はひたすら「俺が正しい」なのだ。業績が上向いたのは全社一丸となった頑張りとは言っているものの、部下の名前一つ出てこないし感謝の言葉もない。俺はこう考えた、責任はとるからついてこい、という考えは部下にとっては居心地がいいものだが、果たして後継者は現れるのだろうか。古森氏は権限委譲できるのか、富士フイルムの将来はそこにかかっている