題名は、著者が全身全霊をかけた「魂の経営」を行ったことによる自負からきています
・ハーバードで取り上げられた教材、なぜコダックは倒産し、富士フィルムは生き残ったのか、を企業の内側からみた書
・古森氏のメッセージは、単純で、説得力があり、わかりやすい。そのことこそが富士フィルムが生き残った真の理由
...続きを読むではないかと思いました。
「車が売れなくなった自動車メーカーはどうなるのか
鉄が売れなくなった鉄鋼メーカーはどうすればいいのか
我々は、まさにそうした事態ー本業消失の危機に直面していた」 で始まる
結論は、「現在、企業を取り巻く環境の変化は加速度的に早くなっている。環境の激変に対応するという課題は、単に富士フィルムという一企業の問題ではなく、多くの企業が直面する共通の課題ではないかと思う」だ。
心にのこった言葉は以下です。
・どれほど業績が良くても、来るべき危機を予測し、それに備えなければならない。現状を直視して、何が起きているのか、何がこれから起きようとしているのか、状況を正確に読み、把握し、その上で何をやらなければならないかを考えて決める。
・ただ生き延びるだけであれば、方法はいろいろあった。不採算事業をどんどん切り離していけばいいし、当時は会社にまだ、それだけの体力もあった。
・将来伸びそうだからという程度のボンヤリした判断で新規事業を考えるわけにはいかない。
・買収先の選定にあたって重視した点はやはり、富士フィルムとのシナジーによって他社と差別化できる製品を作れることだ。そのシナジー効果こそ、我々富士フィルムのM&Aの一番の選定基準としていた。
・もし、他の人と違うところがあるとすれば、誰よりも思い切って実行してきた点だ。100回決断する必要があれば、100回とも絶対間違えない覚悟で決断を下した。
・答えはシンプルだ。自分たちがやらなければ、いずれは他社がやる。ならば、やるしかない。
・有事に際して経営者がやるべき四つのこと ①読む、②構想する、③伝える、④実行する
・決断を誤る3つの要因 ①現実を直視しない ②情報が偏っている ③思い込みや偏見などの先入観がある
・戦力を小出しにする「戦力の逐次投入」は、敵に各個撃破されてしまう。戦略・戦術の禁じ手である。
・やると決めたら、次にリーダがなすべきことは、それらを明確なメッセージとして発信することだ。
・どんな問題に直面したときも、他人事や人任せでなく、自分事として捉え、「その問題を解決するためには自分は何ができるのだろうか」と考えるようになった
目次は次の通りです
はじめに
第1章 本業消失
第2章 第二の創業
第3章 有事に際して経営者がやるべきこと
第4章 すべては戦いであり負けてはならない
第5章 会社を思う気持ちが強い人は伸びる
第6章 グローバル時代における日本の針路
おわりに