古森重隆のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
写真フイルムメーカーから医療品・化粧品も手掛ける技術志向の多角的素材メーカーへと進化を遂げた富士フイルムの立役者である古森重隆氏による、リーダーや経営のあるべき姿を実体験を基に記した経営書。デジタルカメラの普及で劇的に市場が縮小したフイルム事業において、莫大な研究開発費を注ぎ込み祖業の転換を図った富士フイルムと、祖業を捨てきれずに破産したコダックが対比されるように、強烈なトップダウンによる組織改変をやりきり業績をV字回復させた古森氏の経営は、タイトル通り「魂の経営」と言える。
市場をよく見ろ。将来を予測しろ。方向性を計画したら、必ずやり切れ。単純なようだが、仕事の本質であると思う。また、ビジ -
Posted by ブクログ
題名は、著者が全身全霊をかけた「魂の経営」を行ったことによる自負からきています
・ハーバードで取り上げられた教材、なぜコダックは倒産し、富士フィルムは生き残ったのか、を企業の内側からみた書
・古森氏のメッセージは、単純で、説得力があり、わかりやすい。そのことこそが富士フィルムが生き残った真の理由ではないかと思いました。
「車が売れなくなった自動車メーカーはどうなるのか
鉄が売れなくなった鉄鋼メーカーはどうすればいいのか
我々は、まさにそうした事態ー本業消失の危機に直面していた」 で始まる
結論は、「現在、企業を取り巻く環境の変化は加速度的に早くなっている。環境の激変に対応するという -
Posted by ブクログ
富士フィルムは大学時代はでは写真フィルムのメーカーとイコールのイメージだった。
しかし、2000年頃からデジカメが市場に出ていくに従い、写真フィルム市場は激減し、その市場で世界的トップブランドだったコダックが再生法を申請した。
富士フィルムは、この本業消滅の危機をどう考え、決断行動したのかを2000年に社長に就任した著者が、かなりアツく、当時を振り返りながら書いていてどんどん引き込まれて読み進んでしまう。
年令的には私の親や義父などと同じ年代だ。
正解がない世界で全世界の会社市場と戦うためには、常に勝負をしてそして勝つことを普段から考えていざというときに備える事の大切さについて色々な言い回 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ(誰が書いた、概要)
古森重隆さんという富士フィルムの現会長が書いた本。
東大卒で1960年代に当時の富士写真フィルムに入社し、そこから2000年に代表取締役社長に就任。
概要としては当時写真のフィルムで世界2位であった富士フィルムがデジタル化の波より危機的状況に陥っていた。
ただ、結果としては写真のフィルムで世界1位であったコダックが倒産し、富士フィルムは生き残り更に2010年頃に最高益を更新というものであった。
そのように乗り越えた要因が書かれている本。
(読むきっかけ)
役員の方から紹介頂いた本
(活かしたい内容 ※2点程)
・競争を恐れず受けいれ、勝つための最大の努力をする。
・ -
-
Posted by ブクログ
ミネルバの梟(ふくろう)は黄昏に飛び立つ。
ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
(引用)NEVER STOP イノベーティブに勝ち抜く経営、著者:フィリップ・コトラー、古森重隆、発行:日経BP、日本経済新聞出版本部、2021年、54
これは、贅沢な本だ。”近代マーケティングの父”と呼ばれるフィリップ・コトラーと富士フィルムホールディングス代表取締役会長兼CEOの古森重隆氏がタッグを組み、イノベーティブに勝ち抜く経営について語ってくれる。富士フィルムといえば、やはり”写真”だ。私も写真撮影が好きで、フィルム時代からお世話になっている。緑の箱に入った富士フィルムのリバ -
Posted by ブクログ
『この震災でもう一つわかったことがあった。被災地で自衛隊員などによって拾い出された写真のほとんどが、CDやメモリなどの電子媒体に記録されたものではなく、プリントされたものだったということだ。
さらに、高い品質での再生が可能だったのは、水でインクが流れてしまう家庭用インクジェットプリンターで印刷した写真ではなく、表面にコーディングが施されている銀塩写真であり、写真店でプリントされた写真だったということだ。
我々は「写真救済プロジェクト」の活動を通じて、写真が人々にとってかけがえのないものであるということを再認識した。写真の素晴らしさを多くの人々に伝え、写真文化を守っていくことは、この先もずっ -
Posted by ブクログ
富士フィルムを復活に導いた経営者の伝記。良書。
気になった文言は以下の通り。
・リストラは最大限の配慮をもって断固として実行する
- 特約店のパートナーなどにも配慮した
・自社のアセットを4象限で整理した
- 縦軸:現在の市場と将来の市場
- 横軸:現在の技術と新しい技術
→これをもとに市場のニーズをふくめ以下の4点を検討した
1) 既存技術で既存市場に新たに適用できること
2) 新技術で既存技術に適用できること
3) 既存技術で新市場に適用できること
4) 新技術で新市場に適用できること
・自分たちの会社の方向性は自分たちで考える
- 外部の専門家・コンサルタントは -
Posted by ブクログ
富士フィルムの会長兼CEOの古森氏の著書。
同社の写真フィルム事業から現在の多角的な事業に転換した歩みと氏の経営者としての哲学や日本の現状への提言が書かれています。
同社の歩みを読んで同社が写真の主体がデジタルへと変化していくなかでVISION75(「経営全般にわたる徹底的な構造改革」「新たな成長戦略の構築」「連結経営の強化」)を2004年に発表し、勝ち続けられる事業として「デジタルイメージング事業」「光学デバイス事業」「高機能材料事業」「グラフィックシステム事業」「ドキュメント事業」「メディカル・ライフサイエンス事業」の6つに絞り混み、2008年にまた業績を盛り返した姿を読んで、氏の哲学が