好井裕明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
感動ポルノという言葉を初めて知ったのは大学生のころ。言葉のインパクトの強さに衝撃を受けた一方で、妙に納得もしました。自分がチャリティ番組に抱いた違和感の正体が見えた気がしたからです。
この本では様々なドラマや映画、ドキュメンタリーを手掛かりに製作者、また視聴者や鑑賞者が障害者に対して、どのような視点に立っているかを明らかにしていきます。
障害とは憎むべきもの。ない方がいいもの。
自分自身、感動ポルノという言葉を知ってから、障害のある人への見方を改めたつもりではありました。しかしこの本を読み終えたとき、自分の思考の根底に、そうした考えが無意識のうちに働いていたことに思い至りました。
世の -
Posted by ブクログ
普段の生活の中でふと持ってしまう差別の感情をこれでもかとばかりに事例を挙げ、差別意識を無くすための考え方を説いている。
最近「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」なる言葉も良く聞かれるようになってきた。「昔は許されただろうけど」と、差別発言で叩かれた著名人もいた。
本書では露骨な差別発言だけでなく、「他者を思いやっているつもりで、実は根底には差別の意識がある」例を「危うさが潜む」という言い方で数多く挙げている。読んでいて、自分にも思い当たる節が多い。
この「危うさ」も、神経質になりすぎると「昔は良かった」ということになりかねない。そのバランスが難しい。人の価値観は時代と共に変わり、