手塚正己のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
作家である著者が、五十歳半ばで生活のために警備員になった。
はじめは慣れないきつい労働と環境、そしてまともに思えない同僚たちにうんざりしていたのだけれど、ある日プロフェッショナルかつ人間的に尊敬できる「師匠」に出会う…。
なかなか渋くて面白い小説だった。
警備員の仕事についてこんなに詳細を知ったのは初めてだ。
知らなかった社会を教えてもらっているようだった。
都会のあちこちで繰り返される建設工事にからみ、現実味にあふれている。
そして現場で出会う人々は個性的な人ばかり。
それぞれ、人生の悲哀が垣間見えたりもする。
人はほんとうに様々な考え方を持って生きているのだと身につまされた。
この作品を読 -
Posted by ブクログ
ネタバレサラッと読み終えたけど長く記憶に残る物語。
著者は1946年生まれで今は73歳。警備員をやってたのは五十代半ばの頃だそうだから15年くらい前、大体2004年頃の話か。
日々あちこちで見掛ける警備員も過酷な仕事で、氷雨の中でも傘はおろかフードも被れないから首筋からの雨の侵入で身体の冷えとか、夏の酷暑の中での誘導とか
とても自分には勤まらない。
そんな底辺の職場には様々な曲者が集まっているのだが、主人公の著者は、ある日師匠と呼ぶに相応しい人物と出会う。どんな世界にもクズも居れば尊敬出来る人物も居る。
警備員になることは無いが、
どんな仕事にもスキルの向上と責任感で自分を高めることが辛い仕事の -
Posted by ブクログ
ノンフィクションだと思いました。なので、タイトルだけ見て購入し
ました。「日記」とついているだけで衝動買いする癖があります。
へへ、人様の生活の盗み見だぁ~なんて喜んでました。
読んでみたら小説でした。なので、今月の「月に1冊小説を読む」の
ノルマが達成出来ました。笑。
作家である著者が収入を補う為に始めた警備員の経験を元に描いた
小説である。
警備員と言っても現金輸送車などの警備ではなく、私たちが日ごろ
よく目にする工事現場などでの交通誘導である。
そこはまるでダメ人間の見本市のよう。これでもかっ!ってほどに
身を持ち崩して警備の仕事に行き着いた人間がわんさかと出て来る。
でもさ、