室井佑月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
室井佑月がお受験を中心に息子との日々を綴る。作家といいながらテレビのワイドショーのコメンテーターという立ち位置でしかおなじみでなかったので、そういう人という認識だったんだけど、いい本だなと思った。いや、いい本っていうか、いい親子関係だなと思った。色眼鏡で認識していた室井佑月の印象が変わった。
(娘でなく)息子ってほんと面白い生きものだろうと思う。世の高齢母たちがオレオレ詐欺の被害に遭うのも不思議だけど、愛しくておバカで何かやらかす息子という認識なんだろうな。
いまけっこう「男の子どう育てたらいいの」って感じの本やネット上の相談とか見かけるんだけど、きちんと育てようとしすぎてドツボにはまってる感 -
Posted by ブクログ
プロローグを読んですぐ頭に浮かぶのは最近話題になってる親子だった。
「親となれば、子どもの責任も負う義務が生じる。子どもが成人したとしても、大変な事をしでかしたら、それまでどういう教育をしてきたのか責任が問われる。」
「大変なことが起きてしまった場合、親であるあたしが残りの人生を差しだすといっても、許されないことのほうが多いように思う。いや、許されないだろう、絶対。」
子育ては本当に大変なのだ。男の子であっても、女の子であっても。
でも室井さんは凄いな。先々の事まで考えてあえて遠く離れた中学に入学させるなんて。寮生活。会いに行くには飛行機に乗らないと。その学校に入るまでの七転八倒が描かれてい -
Posted by ブクログ
室井佑月と息子の二人暮らしの記録。息子の中学受験への取り組みを中心に。
歯に衣着せぬ物言いが小気味よい作家室井佑月が、小学校三年生から始めた子供の中学受験対策。
といっても、勉強や受験のノウハウ本ではなく、息子と向き合う中で、どうして息子の進路をきめていったか、そして、息子をその方向に向けていくのに、どんな作戦を使ったか。さらに、彼女自身はそのとき、どんな気持ちでいたかなど、心の内面の詳細な記録。
シングルマザーという生き方を選択した彼女、息子との付き合い、関係性は深くなる。そして、過干渉、自分の思うままに子供を育てたいという欲求が生まれてくる場合が多いかもしれない。
しかし彼女は、息子を育 -
Posted by ブクログ
「female」に収められた「太陽の見える場所まで」が私の初室井作品だった。
「太陽の〜」は私がかつて読んだことのないくらい、
グロテスクで醜悪な作品でいっぺんに嫌いになってしまった。
しかし、これで彼女の作品を
生理的に嫌いだと切り捨てるのはもったいない気がして、
仕切り直しに読んだのがこの短編集。
やはりそこには前回と同様、赤裸々と言う言葉では上品過ぎる
生々しくグロテスクな性の世界が存在した。
しかし私はその裏側に、愛が隠れているのに気がついた。
自分の身体を犠牲にすることで愛を繋ごうと努力する彼女達。
しかも身を削っているなんてつゆにも思っていないだろう。