あらすじ
あたしはボーイフレンドの伸ちゃんと一緒に小料理屋を持ちたい。もし夢が叶ったら嬉しい……そんな想いを胸に秘めて、見知らぬ男たちに性を売り、おしっこまで飲ませるみゆきの心が、次第に壊れていく――。リアルな表現で発表時に話題を呼んだ表題作など、狂気を孕んだ「愛」と「性」を描いた6つの作品集。
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Posted by ブクログ
「female」に収められた「太陽の見える場所まで」が私の初室井作品だった。
「太陽の〜」は私がかつて読んだことのないくらい、
グロテスクで醜悪な作品でいっぺんに嫌いになってしまった。
しかし、これで彼女の作品を
生理的に嫌いだと切り捨てるのはもったいない気がして、
仕切り直しに読んだのがこの短編集。
やはりそこには前回と同様、赤裸々と言う言葉では上品過ぎる
生々しくグロテスクな性の世界が存在した。
しかし私はその裏側に、愛が隠れているのに気がついた。
自分の身体を犠牲にすることで愛を繋ごうと努力する彼女達。
しかも身を削っているなんてつゆにも思っていないだろう。
彼女達のように他に方法を思いつかなければ、
誰でも堕こっちてしまいそうな遠いようで身近な世界。
そんなちょっぴり物悲しげな世界、けして嫌いじゃない。