梶井厚志のレビュー一覧
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人間はソーシャルな生き物であり、何らかの形で他の人と関係しながら生活を送っています。このような自分の利害が、自分の行動だけでなく、他人の行動によって左右されます。この状態が戦略的環境です。戦略的環境下で自分に利益をもたらすため、人は、他人の行動を織り込みながら戦略を立て実行しています。この書籍は、人がよく遭遇する戦略的環境を例に挙げて、どのようなケースがあって、どのように考えていけば良いのかを教えてくれます。
たとえば、戦略の説明として以下のような例が書かれています。
子供を育てたことがある人ならば一度は遭遇するシーンではないでしょうか?このようなシーンをかつて経験した人も、今後起こしたくな -
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「わたしたちは、「どうも」「お疲れさま」「よろしくお願いします」を、なぜこれほど使ってしまうのか? 」と言う帯の言葉につられて買った本です。確かに私もよく使います。
この本にもあるのですが、私も「とんでもありません」と電話口で取引先の方から言われたときに妙な違和感を感じたものです。「とんでもない」だから「とんでもありません」なんだろうけど「とんでもある」ってあるのかなって思ったりしたものです。
いくつかの言葉を取り上げて、それが不自然でったり本来の意味と違っていたりしても、現代の形で成り立っている以上、そこになんらかの意味があると客観的な思考で説明されるのを読むのは楽しいものでした。そこで -
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ゲーム理論のパーツを初心者向けにわかりやすく説明したもの。説明が、非常に面白くてわかりやすい。ゲーム理論といえば真っ先に「囚人のジレンマ」が出てくるが、あとがきにあるように、その言葉を使わずに説明しているあたり、良書だと思った。
・「納品した後は納品者の交渉力がもっとも弱い」不払い対応の経験から実感。
・スイッチングコストとそれをりようしたロック・イン戦略
・規制緩和実施前の値下げの戦略的意図。?将来の競争相手に対し、自分は価格競争力があり、もし参入してくればいっそう値下げもできることをコミットすること。?ロック・インを利用した客の囲い込み
?は最近忘れていたが、改めて実感。マッキンゼープ -
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61戦略的思考の技術 梶井厚志
・ゲーム理論:戦略的環境での意思決定を考える道具
・自分が最終的に受け取る利益は、自分の戦略行動だけでなく他人の戦略行動にも依存することを認識し、自分と相手の戦略の組み合わせを評価する
・インセンティブの種類
1金銭
2法律
3習慣や宗教
@cpa_1992
・インセンティブ契約:ある行動をとったらどんな利益が得られるかを相互確認
・条件付罰則戦略
・自分の行動を先読み、自分の行動をコミットする対策:酒を控える→水を目一杯飲む:将来の自分の理性を信じるな
・交渉:スタート時点を有利にしそこからの譲歩度合いで決まる
@cpa_1992
・コミットしてもらう -
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サブタイトルには「ゲーム理論を実践する」とあるが、他のゲーム理論の入門書とは大きく内容が異なる。
これは、あとがきに「あくまで戦略的な考え方を言葉で記述することが目的であって、ゲーム理論を体系的に網羅することは目的ではない」と書かれている通りである。
実際に純粋に「ゲーム理論」と呼べる内容は3章までで、以降はインセンティブやスイッチングコストなどの利益や費用といった動機づけと、それを妨げる逆選択・モラルハザードなどの情報の非対称性、そしてそれを解消するためのシグナリングなど、内容的にはミクロ経済学における経済行動の基本的な考え方が網羅されている。
ジョークも多く交えられ、楽しめながら読め -
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第4章インセンティブと第9章モラル・ハザードが中でも興味深かった。
本書では日常生活を題材にした説明が随所にあり、戦略的な思考が関わる場面を様々に示してくれる。その中でも一番印象強かったのがインセンティブの話。
インセンティブは、人を一般的に望ましい行動に導くもののほか望ましくない行動に導くものもある。
例えば、不法投棄の問題。発露しづらかったり罰則が厳しくなかったりして不法投棄のコストが低い場合は、それが廃棄物を不法に処分するインセンティブになる。もし合法的に処分するインセンティブに勝れば、不法投棄は消えない。…なるほど、と思った。
日頃、なんとなくフィーリングで行動していることが多いよう -
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ネタバレ[ 内容 ]
自分の利害が、自分の行動だけでなく、他人の行動によってどう左右されるか、という状態が戦略的環境であり、その分析ツールがゲーム理論である。
ビジネス交渉はもちろん、バーゲンでの買い物や合コンの席順といったことまで私たちは他人の行動を織りこみつつ戦略を立て実行しているのだ。
本書は身近な話題をふんだんに使い、コミットメント、シグナリングなどゲーム理論のキーワードを解説しながら読者の戦略的思考を磨く。
[ 目次 ]
1 戦略的思考のススメ-戦略的思考の基礎(戦略 先読みと均衡 リスクと不確実性)
2 考えるヒント-戦略的経済分析のキーワード(インセンティブ コミットメント ロック・イ