梶井厚志のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
読み始めのときはちょっとうがちすぎじゃないかと感じたが、読んでいるうちに徐々に慣れてきた。
著者は言語の専門家ではなく経済学の専門家なので、言葉の歴史や用法の変化にはさほど詳しくないと思われるが、しかし人間の行動を分析するゲーム理論的な観点での言葉の使われ方やその社会的な背景に関する洞察は新鮮で、自分の場合はどうだったかを考えながら著者の主張を読んでいくと、身の回りの言葉遣いについて納得させられることが多々あった。
ただ1件気になったのが、「順序を付けた二者択一基準の問題点」における記述。メタボの診断基準の順番と選挙の二者択一の順番の決定が同じ問題を起こすように書かれているが、前者は基準に -
Posted by ブクログ
ネタバレ「戦略的思考」なんて、たいそうなタイトルがついていますが、内容は最近の日本語について感じた違和感や疑問点を感じた筆者が経済学という視点も交えながらあーでもないこーでもないと分析していくという、エッセイものです。
取り上げられる日本語は「お疲れ様」や「よろしくお願いします」などの(日本語特有の)あいさつ言葉から「やばい」「義理チョコ」、「デフレ」など、多岐に渡ります。
そこまで専門的な内容ではでないですし、新規性もありませんが、とにかく筆者の文章の巧みさやユーモアのセンスに没頭してしまい、約300ページがあっという間に終わってしまいました。 エッセイとはいってもただの与太話ではないので、経済書の -
Posted by ブクログ
<目次>
Ⅰ部 戦略的思考のススメー戦略的思考の基礎
第1章 戦略
第2章 先読みと均衡
第3章 リスクと不確実性
Ⅱ部 考えるヒントー戦略的経済分析のキーワード
第4章 インセンティブ
第5章 コミットメント
第6章 ロック・イン
第7章 シグナリング
第8章 スクリーニングと逆選択
第9章 モラル・ハザード
Ⅲ部 戦略的に解く身のまわりの経済学
第10章 値引き競争
第11章 オークション
<内容>
経済学の戦略的思考=ゲーム理論の教科書。わかりやすい記述だが、経済学の基礎が分らない私には、若干つらかった。ただ、もうちょっと気合を入れて読みなお -
Posted by ブクログ
『201202 経済強化月刊』
ユーモラスな語り口調で非常に読みやすい。
が、ゲーム理論の学問的な理論やテクニックを期待していた自分にはやや肩透かし。ナッシュ均衡のナの字もなかった。いや、そういう趣旨のものではないと「はじめに」や「おわりに」ではっきり宣言(シグナリング)しているのだから私の確認不足が悪い訳だが。
とは言え読んで損はなかった。"コミットメント(確約)"や"インセンティブ(動機付け)"などの用語を一章ごとに解説、例示が豊富で、これらの用語に自然と慣れることができた。
また、『変則ジャンケン』の下りは興味深かった。
「グー」で勝った時だ -
Posted by ブクログ
社会経済現象を理解するには個人が直面するインセンティブの構造を考える必要がある
経済問題で重要になるインセンティブは、大きく分けて価格・金銭によるインセンティブ、法律や制度によるインセンティブ、あるいは習慣や宗教によるインセンティブに分類できる。
コミットメント(自分が将来にとる行動を表明し、それを確実に実行する)は利益が高くなるよううまくするべきだ。予約することは将来の確実性を増すことができる反面、行動の自由をなくしてしまう。
スクリーニングで対人関係で相手が自分をどう考えているのか探る。例えば、会話で誕生日が近づいていることをほのめかし、プレゼントがもらえるか試したり、大学の講義を朝に -
Posted by ブクログ
「はじめに」にあるように、「数式を使わないゲーム理論への入門書」。第1章で戦略を「戦略的環境において、自分が自分の自由意志のもとにとりうる行動を、その将来にわたる予定を含めて記述したもの」と定義する。続く章でさまざまなゲーム理論や経済学の用語を解説し、その用語を使ってビジネスや日常生活での意思決定がどのように解釈できるかを説明する。目次? 戦略的思考のススメ―戦略的思考の基礎 第1章 戦略 第2章 先読みと均衡 第3章 リスクと不確実性? 考えるヒント―戦略的経済分析のキーワード 第4章 インセンティブ 第5章 コミットメント 第6章 ロック・イン 第7章 シグナリング 第8章 スクリーニング