内海隆一郎のレビュー一覧

  • 鰻のたたき 新装版

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    内海隆一郎『鰻のたたき 新装版』光文社文庫。

    ハートウォーミングな傑作短編10編を収録。既読ではあるのだが、珍しく新装版が刊行されたので再読してみることにした。

    内海隆一郎の作品を初めて読んだのは、約40年程前のことである。大学を卒業し、岩手県の一関市という田舎町に移り住み、働き始めた頃だ。たまたま書店で見付けて読んだ『人びとシリーズ』の1作が面白く、たちまち内海隆一郎の虜になった。解説を読むと、内海隆一郎が名古屋から疎開し、一関市で青春時代を過ごしたことを知り、何かの縁を感じた。内海隆一郎の作品には『北の駅』を始め、一関市が舞台としたものもあり、そうした作品と出会うのも一つの楽しみとなっ

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    2025年06月19日
  • だれもが子供だったころ

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    内海隆一郎『だれもが子供だったころ』河出文庫。

    子供の目線で家族の日常を描いた掌編集の復刊。49編を収録。

    平和な家庭、いさかいや問題のある家庭。様々な家庭のありふれた日常が子供の目を通して描かれるが、行間から暖かい気持ちが伝わって来る。心の中にある懐かしい記憶。平凡な日常が味わえなくなって久しい今の時世だからこそ、心に染みる物がある。

    新型コロナウイルス感染禍だけでも大変なのにロシアによるウクライナへの軍事侵攻、そして、3月16日の深夜の大地震と平穏無事な日常がますます遠ざかる。

    昔から内海隆一郎の作品は読み続けている。内海隆一郎が自分の出身地、岩手県出身と聞いてからは親近感を感じ、

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    2022年03月17日
  • 懐かしい人びと

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    人びとシリーズの一冊。タイトルの通り、懐かしい人びとを描いた珠玉の24編の掌編を収録。掌編ごとに、悲しみ、切なさ、怒り、喜び、驚きといった様々な感情を刺激してくれる。

    多くに描かれているのは、意外にも肉親との死による別れと、その現実に真摯に向かい合う人びとの姿である。決して避けることは出来ない現実を、時に温かく、時には厳しく描いてみせる著者の想いが行間から伝わってくる。

    なかなか内海隆一郎さんの著作と巡り合う機会も減り、久し振りに見付けた未読作。多くの傑作を生み出している作家なのに、悲しいことに評価が低く、絶版が多い。また、完全な著作リストすら見たこともない。嬉しいことに本書の解説にかなり

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    2016年07月06日
  • 居酒屋志願(小学館文庫)

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    様々な人間模様を描いたハートウォーミングな短編集。表題作の『居酒屋志願』、『その日まで』が秀逸。 『小さな風景』は内海隆一郎の出身地である岩手県一関市の釣山から街を眺めた風景が描かれる。

    数々の素晴らしい作品を残しながら、内海隆一郎に対する評価が低いのは如何なる理由なのだろう。

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    2016年07月03日
  • 帰郷ツアー

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    ネタバレ

    さまざまな刺激に少し疲れた人には
    おすすめな本です。
    少し、展開が中途半端なのではありますが、
    軽く読みたい、という人にはちょうどいい程度。

    好きな作品はいわゆるサプライズが絡む
    2作品でしょうか。
    表題作と、「娘の立場」という作品。

    後者の方が、かなり堪える発言ばかり
    でてくるのできついものとなっていますがね。

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    2014年02月26日
  • 湖畔亭

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    内海作品は本作から入った。この本を読んだ後、内海さんにはまってしまった。昔ながらの職人や市中の人を書く作家で、内海さんの右に出る人はいないなぁ。

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    2010年01月06日
  • 鰻のたたき 新装版

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    小料理屋を舞台に展開する人間模様を描く10編の短編集。サクッと読める良い話ばかり。疲れていたので丁度よかった

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    2025年10月20日
  • 居酒屋志願(小学館文庫)

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    夫婦。色々な形がある。
    本当にごくありふれた日常、どこにでもいそうな夫婦。
    それぞれの夫婦の日常が描かれた短篇集。
    緩急がなく、とても穏やかな一冊でした。
    穏やか過ぎて、もうどんな夫婦だったか忘れてしまうほどに、ありふれた感が素晴らしい。

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    2019年04月18日
  • 欅通りの人びと

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    欅通りで生活する住民のお話。

    あまり知れ渡っていないが、良作であるということは間違いない。

    NHKでドラマ化された。

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    2011年04月20日
  • 鰻の寝床

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    内海さん得意な一つの舞台での主人公を変えながらの連作。良いよな。こういう世界が描き出させる作家は余り居ないよね。

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    2010年01月07日
  • 鰻のたたき 新装版

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    ネタバレ

    タイトルで購入し、1篇目を読み終わって
    2編目を読み始めて短編集だったことに
    ビックリ、「鰻のたたき」を出すお店の話が
    続くものと思ってたwww

    個人的に面白かったり心に残ったのが
    親子の学校?先生?嫌いは似るのかな?そして
    現代の教育ってなんだかさみしいなぁ~なんて
    って思った「親ゆずり」、なかなか複雑な
    環境で育った兄妹のポテトサラダの伏線回収が
    おもしろかった「ポテトサラダ」、
    女将さんと菊さんの関係性が絶妙なバランスの
    共依存っぽくなってる「山菜摘み」、
    こういう人生ならひとり身でママさんとして
    人生謳歌してもいいなと思った「乳母がわり」
    ってかいい人過ぎやろ!だからあえて子供が

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    2025年09月20日
  • 欅通りの人びと

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    欅通りの人たちは、何かを失ってしまった人たち。その分、優しさを持ち合わせている。それでも自分の分をわかっている。

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    2016年03月30日
  • 欅通りの人びと

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    1人暮らしの自転車屋さん、喫茶店の女主人、退職して犬を飼い始めた老人、駆け落ち結婚の10代の若夫婦……郊外の町にひっそりと真摯に生きる人たちのドラマを温かく見守るのは、大通りの欅並木。さり気ない思いやりで小さな発見に満ちた生活から生まれる、思いがけない感動と涙が、NHKドラマ原作に。(出版社の内容紹介より)

    このコピーを読んだだけで、「内海さんの作品だ!!」と判るよね!
    頑固に古い自転車を修理する1人暮らしの自転車屋さん、訳ありの喫茶店の女主人。居るよねこんな人たち。。。。「欅通り」の街は、多摩ニュータウンを想像しながら読んだけど、街の地図が描けそうな描写はさすがでした。

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    2010年01月07日