【感想・ネタバレ】だれもが子供だったころのレビュー

あらすじ

布団の中で数えた天井の顔、子供だけで乗った新幹線、両親の喧嘩、父親の死――子供の目線で世界を捉える49の掌編集。日常を丁寧に描き、教科書や入試問題にも長年採用されてきた作家の名作を新装復刊。

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Posted by ブクログ

内海隆一郎『だれもが子供だったころ』河出文庫。

子供の目線で家族の日常を描いた掌編集の復刊。49編を収録。

平和な家庭、いさかいや問題のある家庭。様々な家庭のありふれた日常が子供の目を通して描かれるが、行間から暖かい気持ちが伝わって来る。心の中にある懐かしい記憶。平凡な日常が味わえなくなって久しい今の時世だからこそ、心に染みる物がある。

新型コロナウイルス感染禍だけでも大変なのにロシアによるウクライナへの軍事侵攻、そして、3月16日の深夜の大地震と平穏無事な日常がますます遠ざかる。

昔から内海隆一郎の作品は読み続けている。内海隆一郎が自分の出身地、岩手県出身と聞いてからは親近感を感じ、大好きな谷口ジローが内海隆一郎の原作『欅の木』を漫画化した時には非常に喜んだものだ。谷口ジローの『欅の木』の中では特に『彼の故郷』がお気に入りだ。

内海隆一郎は父親の仕事の関係で、愛知県名古屋市から岩手県一関市に移住したことから岩手県出身の作家の一人に数えられているようだ。一関一高から立教大学に進む。作家となってからはハートウォーミングな作品を数多く上梓し、作品の中に昔の一関市の風景を度々描いており、それを見付けるのも楽しみの一つとなっている。

定価891円
★★★★★

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2022年03月17日

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