鏡明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この作品はすっかり毎日の生活に追われ、読書の楽しみを忘れてしまった私に再び読む事の楽しさを思い出させてくれた「光の本」なのであります!
海外ファンタジー作品で、童話や古典っぽさがあるので好き嫌いが分かれるかもしれません。
私はその幻想的で詩のような美しい世界観に1行目から心を奪われてしまい、ユニコーンとその仲間達と共に旅をしているような気分で、スラスラと読み進めてしまいました!
世界で最後の存在となってしまったユニコーンが、本当に自分だけになってしまったのか真実を知る為、居心地が良く一度も出た事のなかったライラックの森の外へ初めての一歩を踏み出し、冒険の旅に出ると言う物語です。
もうこのあらすじだけで、私の求めている冒険譚に大いに合致している訳です!
疲れた体でも本を読む事で癒されていた文学少女は、それをいつしか忘れ…仕事から帰るとついネットサーフィンをしてしまう生活に慣れた、つまらない大人になってしまっていた訳ですが。
何故か「ユニコーン」と言うキーワードが、度々飛び込んで来ておりまして…何の脈絡も無くユニコーンのグッズやら、イラストやら、調べてもいないのにオススメに関連情報が上がって来ていて。
そのユニコーンの流れで突然目に飛び込んで来たのが、この「最後のユニコーン」の新装版発売情報だったのであります。
今から思えばこれは運命を感じずにはいられない出来事であり、この本を手に取っていなければ恐らく私は一生読書を再開する事は無かったでしょう…生まれた頃からあんなに大好きだった、寝る間も惜しんで続けて来た読書を。
この本を手に取った時、まだ少し恐怖が残っておりました…また、1頁目で閉じる事になってしまったらどうしよう、と。
ましてや、私が最も得意とする大好きな海外作品のファンタジーですから、これが読めなくなってしまっていたら、本当に立ち直れないかもしれないと思いました。
皆様は本を読む時に「合う合わない」「面白い面白くない」の基準は、どのように決めていらっしゃいますか?
私はまさに「1頁目の内容」なのです!
これは本以外にも、マンガ、アニメ、ドラマなら「第1話」、映画なら「冒頭の10分」、これだけでもう私の冒険に必要な作品かそうでないかを判断しています(ドラマやアニメ等、人気の作品は「第○話から面白くなるのに!」と仰る方のお気持ちも分からなくはないのですが…笑)。
当然このユニコーンの物語は、その一行目から本を旅する冒険者であった私の目を覚まさせてくれた訳です!
瑞々しい純文学のような、美しい詩を詠唱しているかのような、そんな素晴らしい世界観にどっぷりと浸かり、私は登場人物達と共に旅をしながら本を読む楽しさを無事に思い出す事が出来たのであります。
此処からはもう、怒涛の読書ラッシュです(笑)!堰を切ったように、次から次へと本を読み漁りました。
この日以来、私のラッキーアニマルはユニコーンになりました。 -
Posted by ブクログ
この連作短編型の長編が書かれた1980年代初めは、伝説のSFファン鏡明が小説をものし始めた時期で、私も大いなる期待を持ってSFマガジン連載の『我らが安息の日々』を読んだりしたけれど(いまだに単行本化されていないのだ)、『不確定世界の探偵物語』のほうは新書で出版されてもなぜだか読まずじまいだった。タイムマシンの実用化によって過去が改編され続けて現在が不確定になってしまった世界における探偵物語という設定には大いに魅力を感じた(赤川次郎への皮肉?)が、しかし、そんな世界で探偵は不可能ではないか。
そこで設定ではタイムマシンはただ1台だけ、しかも世界一の大富豪ブライスが所有し、世界の改良のためだけに使っているという設定になっている。世界の変化は起こりうるが、常時起こっているわけでもなく、世界が変わっても変わる前の世界の記憶はおぼろに残っている。主人公の探偵ノーマン・ギブスン(『ニューロマンサー』のギブスンへのオマージュ?)は、日本人の孤児で養子のためこんな名前。彼の故国は既に『日本沈没』している。などと、いろいろとくすぐりがある。各短編は独立しているものの、ブライスの正体は何か、ブライスにとってギブスンは何か意味がある存在なのか、ブライスに敵対する者たちは何者か、といった謎がばらまかれ、他方、ブライスのもとから派遣され、探偵助手に収まるジェニファーとのロマンスが横糸を張り、読者を引っ張っていく。
ハードボイルド探偵ものの体裁だが、ギブスンはまったく腕っ節が弱い(でも、打たれ強い)。その代わりジェニファーが滅法強い。ハードボイルドのお約束で、彼はひどく感傷的でもある。そのあたりの味わいがいい。
20年を超えて古びていない作品である。 -
Posted by ブクログ
こんな凄い作家さんがいたとは…!
解説によると鏡さんは〈日本SF界最大の巨人〉だそうです。…巨人!?
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タイムマシンで過去を変えたら未来が変わる、というのはバックトゥザフューチャーでもおなじみですが、
もしも誰かが過去をいじることで、現実が不確定に変わり続ける世界に生きているとしたら…??
本書はそんなややこしい世界でさらにややこしい職業、探偵をしている男の物語です。
不確定に変わる世界で昨日や証拠に何の意味があるのか…。
作者はそんなややこしい設定をあえて行い、ラストは見事に回収するという離れ技を行います。
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日本SF界最大の巨人…
単純に一番長身の星新一さんよりも背が高かったから、だそうです。なるほど。
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Posted by ブクログ
ネタバレ読みにくい…ちょっと情景が想像しにくかったです。
古い本なのでしょうがないのかな。
前半は話が進まず退屈でした。
本題の赤い牡牛が出てきた辺りから話が進むので面白くなってきました。それでもゆっくりペースでしたが…敵の城にしばらく住む必要あったのか…
全体を通してユニコーンより、道中出会って一緒に旅をするシュメンドリック(魔術師)やモリーが主人公になってしまってるように思いました。
個人的に一番好きじゃなかったのが、ユニコーンがピンチになってシュメンドリックに人間の女の子にされて、宿敵の王の息子のリーア王子といい感じになってしまう所ですかね…
自分がユニコーンだったを忘れてるとはいえ、ちょっと…
あと、赤い牡牛も抽象的な感じがしてよく分からなかったです。
終わり方は好きでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ悪くは、ない。悪くは! たとえ、幾つかの比喩やせりふが、物語じしんに怒りを抱いてしまうほどチープであったとしても。実際頭を掻きむしりたくなるくらいムカつくが、そのことが物語を、どこか遠くに「去ってしまった」ほんものの神話や魔法や、ユニコーンがほんとうに属していたであろうはるけき世界を想像させるのにひと役買っているから、評価しないわけにはいかない。
ーー物語はしずかにはじまり、むちゃくちゃな中盤を経て「変わってしまった」最後に至る。文体は、わたしは好まない。くわえて、語られるものは大きいのに、話が横道に逸れすぎることに損なわれている。損なわれることさえ、魅力にも思えるが。
けれど。たとえ挑戦になろうと、わたしはいう。これは、真のファンタジーではない。 -
Posted by ブクログ
まったく,人間と言うやつの順応性には,感嘆するよりない。ワンダーマシンが作動しはじめてから,世の中は,以前の世界とは似ても似つかぬものになってしまった。確実なもの,絶対的なものなど存在しないということを,現実に経験することになったからだ。
たとえば,見なれた町並みが突如として変わったり,目の前で話していた男が,見知らぬ人間に変わってしまうことだって,現実に起きた。もちろん,街が姿を変えるなんて凄まじいことは,滅多にない。おれの記憶では一度あっただけだ。ま,その記憶というやつも,まるであてにはならないわけだが,一回だけというのは定説になっている。そして,それは不用意に過去に手を触れることがいかに危険かという実例として,残っている。
(本文p.18)