ルディー和子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この本は おもしろい。
マーケティングの本って 事例が多く載っているが、
表面的で、深まりが ないのだね。
しかし、著者は じつに 考察を重ね
マーケティングって 本当に どんな意味があるのか?
ということを 客観視しようとしている。
マーケティングの本は 自らの本さえ マーケティングしていない所に
面白みがあるが、この著者は ちゃんとマーケティングをして、
題名を「マーケティングは消費者に勝てるのか」と問いかけている。
そこから、ステキだね。
『マケーティング調査は 消費者のことを教えてくれない。』
1985年 コカコーラのニューコークの失敗
400万ドルをかけたマーケティング調査。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ『売り方は類人猿が知っている』 ルディー和子
を読んだ。
ビジネス書のようであって、なかなかどうして人間学のような本。
論理的に物事を判断して、買うか買わないかを決めているのが
われわれ人間である----というのは間違いであることをつぶさに見ていって、
解き明かしてくれます。
同じワインを飲んでも、値段が高いのだときかされれば、
そっちのほうがおいしいと感じるのが人というもの、
といったポピュラーな心理学実験の話もあれば、
嫉妬や妬みが類人猿に発生した段階で、それを解消しようと
平等や公平の考え方、すなわち民主主義の考えが生まれた
という深い論考の話もありました。
主に海外の行動経済学 -
Posted by ブクログ
シュルツの『統合マーケティング』を読んだ直後に購入。シュルツが消費者Responseの正確さを前提にしているのに対して、こちらは「いいかげんな消費者」にFocusしていて、ある意味アンチテーゼ的な位置づけで読めた。
ただし「消費者理解は難しい」だけの表面的な議論で終わるのではなく、科学的な根拠や企業の実例を元にマーケティングの検証を行っており非常に興味深い。
?消費者調査にも流行があり、また「いいかげんな」消費者の行動を予測するには限界があり、調査結果は絶対的なものではない。
?日本企業の伝統的な「直感n頼る」「質的な」調査スタイル(POSデータや流通チャネルからの情報の細かなフォロー -
Posted by ブクログ
ルディー和子、男子系企業の失敗(2023)
日本の長期に渡る停滞を、主にヒトの「バイアス」という観点から論述しており、とても腹落ち度の高い内容です。
---本文より---
その業務プロセス、固執するほど有効ですか?(P27)
経営者も従業員も変わりたくない日本企業(P40)
社長の周囲に、イエスマンが集まる科学的必然(P46)
-「確証バイアス」と「忖度」のタッグが5年以上続くと、社長のまわりにはイエスマンばかりが集まるようになる。
「私の組織のメンバーは個性豊か」の誤謬(P82)
-社会心理学で「外集団同質性バイアス」と呼ばれる認知バイアスがある。同質性が高い集団のメンバーは、自分が属してい -
Posted by ブクログ
1.マーケティングの手法だけではなく、理論的なことも学びたいと思い購入しました。
2. 消費者の95%は無意識に商品を選択しているのですが、企業側が何か行動をすると消費者は反応します。その反応の元となっているのは口コミ(情報のカスケード)です。成功例で言えばハリーポッター、失敗例で言えばコカコーラで、情報が回った時点で良い悪いが決まってしまいます。
このように本書では、「情報のカスケード」をキーワードとし、マーケティングはどこまで研究がすすんでいるのか、そもそもマーケティングが必要なのかというところからマーケティングについて述べている一冊です。
3.マーケティングが万能ではないが、どう対応 -
Posted by ブクログ
大企業の社長にまでのぼりつめた人間は、成功者であり、凡人より優れた資質、能力を持っていることは間違いない。が、そんな優れた人間が、あとで振り返ってみると、誰からも指摘される単純な間違いを犯していることがよくある。優れた経営書を読み、多くの人が体験したことのないような経験を持ち、過酷な競争を生き抜いたはずの彼らがなぜ失敗をし、会社を経営難にしてしまうのか。マーケティング論者である著者は、多くの日本企業の失敗を取り上げ、その原因を経営者の思考分析によって解明しようとする。
吉野家とすき家の牛丼戦争、ソニーや松下・シャープ・日立などの家電メーカーの逆境からの脱出などなど、大企業の失敗の歴史書として -
Posted by ブクログ
経済学は 文科系というジャンルだと思ったが
ダーウィンの進化論が取り入れられて 脳の進化から
ニンゲンの行動を 研究するというのは、
意外とおもしろい。
ルディー和子の著作の特徴は
雑学のような 脳科学の知識を ちりばめて
ニンゲンの経済行動の『ちゃらんぽらん』『非合理性』を
くわしく 分析しようとしている。
生物の進化、動物の進化、そして 類人猿からニンゲンへ
その中での 脳がどのように進化してきたのか?
脳の中心的なスポットは 『報酬系』
不安を感じる。恐怖を感じる。ということを
つねに 脳の中の活動としていた。
ネガティブに対する 瞬間的判断と行動を起こすことで、
生きのびてきたの -
Posted by ブクログ
ビジネス上の重要な決定は論理的思考だけでは決められておらず、過去の様々な経験が却って合理的な判断を鈍らせる。それが企業が失敗する真の要因であることを、様々な事例を挙げながら解説した1冊。行動経済学の内容が色濃い印象かな。ビジネスの世界で常套句として使われている言葉やそれに関する考え方を、違った観点から論じている点は、自分の視野を広げるのに参考になりました。
以下、参考になった点、引用、自己解釈を含む。
●エビスビール。プレモルの猛烈な追撃があったことに加えて、リーマンショックの不況の煽りを受け、なんとなく贅沢が許されにくいという『お客様の心情に寄り添う』形で何か手を打たなければならないという