森本達雄のレビュー一覧
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189P
マハトマ・ガンディー
Mohandas Karamchand Gandhi
1869-1948。モーハンダス・カラムチャンド・ガンディーはインド西海岸の小藩王国の宰相の家に生れ、父の一徹な正義感と母の敬虔な信仰心の影響のもとで育った。13歳のとき、当時の風習に従って結婚、19歳でイギリスに留学、3年後弁護士の資格をえて帰国・開業したが、生来の内気のために成功しなかった。1893年に商社の顧問弁護士として南アフリカに渡ったが、上陸後まもなく白人の言語道断の人種差別を体験、これが決定的な人生の転機となった。以来22年間、同地にとどまり、真理と非暴力にもとづくサティヤーグラハをもって同胞 -
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解脱と云う考えは、全く非現実的であり、夫れ程人の心を惹くものではない。事実、夫れに就ては冗舌な議論がなされてきた事からも分かるように、夫れは学者達の単なる論題に過ぎない。解脱は決してヒンドウーの宗教儀式や礼拝の目的ではない。ヒンドウーの儀式や礼拝の中心目的は、現世的な繁栄である。そして、此の現実世界への専心の為に、この世に再び生まれ変わると云う輪廻転生の教義が、死後の生命に就てヒンドウーが提唱した全ての概念の中で、最も説得力の有る確固たる信仰になっているのである。彼らは此の世界を余りにも深く愛して居り、その為に幾度も生まれ変わった后ですら、永久に此の世を離れると云う可能性を、出来るだけ遠い先の
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ヒンドゥー教は、別に宗祖がいるわけでもなく、いろいろな神様を信仰するインド全体の世界観・文化・生活習慣なのだと理解。ヨガはそもそも心身を鍛え気の通りを良くして神に近付くための修練であり、その昔は川に浸かって内臓を取り出したり、濡れた布を鼻や胃に通すような修行も行われていたとか。現代のインド人科学者でさえも輪廻転生を信じている、とか。私の持っている価値観など、文化の中で培われたものであり、絶対的なものではないのだなと。異文化を知ることで日本を知ることができた本。そんなインドをみる筆者のコメントも、いきいきと好奇心旺盛でありながら、ヒンドゥを信仰する人々に対するリスペクトに溢れており、すばらしい読
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本名は、モハンダス・カラムチャンド・ガンディー。言うまでもなくマハトマ・ガンディー(=マハートマー・ガーンディー)として知られるインド独立の父です。「非暴力」の思想はあまりにも有名ですね。
とはいえ、実を言えば、今まで私は、ガンディーに関するまとまった著作を読んだことがなかったので、彼の思想に直接触れるのはこれが初めてになります。
1930年、ガンディーはヤラヴァーダー中央刑務所に収監されていました。本書は、その期間中に、ガンディー自らが設立した修道場で彼の教えを実践する弟子たちに宛てた書簡集です。「サッティヤー(=satya(真理))」「アヒンサー(=ahimsa(愛))」を中心したガ -
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この人もやはり書いていた!後世に名を残すような偉人はやはりこうでなければ!自分も入牢したらぜひ書いてみよう。
1930年、第2回非協力運動の幕開けとしてモーハンダース・カラムチャンド・ガンディーが行った「塩の行進」により、ヤラヴァーダー刑務所に収監された中で書かれたものであるという。ガンディーが主催した修道場(アーシュラム)の弟子たちに向けて、その教えの意味について毎週に書き送られたものとのことである。
その教義は真理や愛(アヒンサー)といった普く宗教として当然あるべき徳目から始まる。そこまでは自分にもある程度理解・納得できるのだが、しかし、次に続く純潔・禁欲・浄行(プラフマチャリア)や嗜欲 -
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新書ながら400ページもある本。疲れました。
単に教義や信仰形態について文献的に迫るのではなく、筆者の体験からかかれている部分も多いため、全体として読みやすい。
内容として面白かったのは聖牛信仰について。牛、特に牝牛を殺してはいけないという教義が存在するのはその乳牛や糞が現実生活において非常に重要なものだったかららしい。
また、バクティ信仰と日本仏教との類似が指摘されており興味深かった。
エピローグで紹介されているラーマクリシュナの思想に関してはもっと詳しく知りたいと思った。ラーマクリシュナは19世紀の人物。ヒンドゥーやイスラム、仏教においてそれぞれ神秘的な体験を経て普遍宗教的な思想に -
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ネタバレ[ 内容 ]
弁財天信仰、輪廻転生の思想などヒンドゥー教は、直接に、あるいは仏教を通して、意外にも古くからの日本人の暮らし、日常の信仰、思想に少なからぬ影響を与えてきた。
本書は、世界四大宗教の一つでありながら、特定の開祖もなく、核となる聖典もない、いわばとらえどころのない宗教の世界観を日常の風景から丹念に追うことによって、インド社会の構造から、ガンディーの「非暴力」の行動原理までも考察する。
[ 目次 ]
プロローグ ヒンドゥー教と日本人
第1章 ヒンドゥー教とはどんな宗教か
第2章 ヒンドゥー教はいつ始まり、どのように発展したか
第3章 ヒンドゥー教の支持基盤―カースト制度
第4章 ヒン -
Posted by ブクログ
インドについて知りたくなったので、その代名詞とも言えるであろうヒンドゥー教を手に取り易い新書で読んでみた。
どうしてもヒンドゥー教はカースト制度などから固定観念としての異質さを抱いていたのだが、本書は著者の経験を交えて明快に解説していたように感じた。
なので入門書としては十分な出来となっているのではないかと思う。
ただどうしても理解できない文化・慣習もあった。
信愛の解脱という道がありながらなぜ差別があるのか、ということに関しては個人的に納得がいかなかった。
しかし、よくよく考えてみれば宗教は概して差別的だったりするので、ヒンドゥー教だけの問題ではないのだろうし、内部批判めいたエピソ -
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1930年、「塩の行進」で目的地に到着したときには、ガンディーに従う群衆は数千人の非暴力の集団にふくれあがっていたという。危機感を抱いた政府に逮捕され、ヤラヴァーダー中央刑務所に収監されたガンディーは、アーシュラム(修道場)の同志、門人たちに宛て毎週火曜日の朝に、定期的に戒律の1つ1つをテーマとした書簡を送りつづけた。これは、その16通もの書簡を収めた内容の本である。
巻末の訳者解説「ガンディー思想の源流を訪ねて」には、幼少期からイギリス留学時代、そしていかにして非暴力の道を模索していったのか?後年、ガンディーの重要な政治上の信念の一つとなった
原点など、興味深いエピソードが散りばめられてい