ラディゲのレビュー一覧

  • 肉体の悪魔

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    悪魔の姿を忠実に描いている。愛し合っているはずなのに、男性になぜ裏切られたのかわからない人はスウェーデン人の娘のエピソードを読めば腑に落ちるだろう。
    ふと冷静になればマルタについてもまた悪魔を飼って命を投げ出したようなものかもしれない。
    人は無心で悪魔と共に生きる。

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    2014年08月29日
  • 肉体の悪魔

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    ネタバレ

    三島が憧れていたと知り、手にとった。
    単純な筋ながら、引き込まれた。
    最後の一節が特に印象深い。

    ただ、新訳だからか、少し言葉が軽い感じがした。

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    2013年06月23日
  • 肉体の悪魔

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    ありきたりな内容のはずなのに、結局引きこまれて最期まで読んでしまった。

    それが古典というものが持つ力なのかな、と思わされた。

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    2012年07月15日
  • 肉体の悪魔

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    ネタバレ

    主人公が人妻と道ならぬ恋に堕ちる、というあらすじそのものはありふれたものだけれど、この作品の背景には絶えず「戦争」という非日常が影を落としている。破滅の先を見てみたいという取り憑かれたような衝動、破壊を目にする時の高揚感、「子ども」というレッテルと自身の内側の感情とのギャップ。エロスとタナトスの甘美さを味わうのは、優れた小説の中だけでいい。強いて言うなら、マルトの最期のエピソードにもう少し余韻が欲しかった。新潮文庫版も読んでみようと思う。

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    2011年09月21日
  • 肉体の悪魔

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    人を愛することの喜びと哀れさ。2人の関係はどうなるのかとドキドキしながら読む。タイトルはこうだけど、性描写は一切なし。

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    2010年12月03日
  • 肉体の悪魔

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    自分が心の中で取り留めなく思っていたことが、はっきりと文章として描写されていて、共感できる箇所が度々あった。感情描写が緻密な作品だと思う。文体が硬質なので大人びた印象の主人公だが、彼もマルトも精神が幼い(と言うか年相応?)のように思う。

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    2013年09月16日
  • ドルジェル伯の舞踏会

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    三年半ほど前、高校生のときに古書店で古い文庫を買って
    積んだまま読まずに〈引っ越し処分〉していたことを思い出し、
    反省しつつ光文社古典新訳文庫を購入。
    早熟・夭折の天才と言われるレーモン・ラディゲの(短めの)長編小説。

    1920年2月、パリ。
    高等遊民の一種である二十歳の青年フランソワ・ド・セリユーズは、
    社交界の花形アンヌ・ドルジェル伯爵およびマオ夫人と出会った。
    フランソワの友人で外交官のポール・ロバンも交えて
    サーカスを楽しんだり非合法のダンスホールで踊ったりして、
    彼らは親交を深めていった。
    フランソワは次第にマオ夫人に恋情を覚えるようになり、
    距離を取るべきか縮めるべきか思い悩む。

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    2023年01月04日
  • 肉体の悪魔

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    三年半ほど前、
    高校生のときに古書店で古い文庫を買って積んだまま
    読まずに〈引っ越し処分〉していたことを思い出し、
    反省しつつ光文社古典新訳文庫を購入。
    早熟・夭折の天才と言われる
    レーモン・ラディゲの(短めの)長編小説。

    作者の分身と思しい語り手〈僕〉の思い出。
    分けても15歳からの激動の日々について。

    第一次世界大戦下のフランス。
    〈僕〉は四つ年上の画学生マルト・グランジエと出会い、
    興味を募らせていったが、
    彼女には婚約者ジャック・ラコンブがいた。
    しかし、彼女が予定通り結婚した後も
    互いに秋波を送り続け、
    ジャックが戦線に送られた不在のうちに、
    当然のように一線を超えてしまった――

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    2022年12月15日
  • ドルジェル伯の舞踏会

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    20歳の若さで夭折したラディゲの死後に出版されたもの。これまで出回っていたものは生前、ラディゲが師と慕っていたジャン・コクトーらによってかなり手直しがされたものだったとのこと。こちらは、ラディゲが私家版として限定数で発行した本人の手による最終稿をもとに出版されている。ラストの解釈が難しいが、解説によるとこの小説にはいろんな読み方があるんだなと思った。10代の書く文章ではないなぁと思うくらいに洗練されている。

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    2024年11月02日
  • 肉体の悪魔

    A

    購入済み

    難しい

    難しいですね。
    若いうちに読んでたらなにか思うところもあったかもしれないけれど、
    今の私にはなんと言ったら良いのかわかりません。
    私の感受性の問題だろうか。
    ともかく一つ言えるのは、若いうちに読んだほうが良いと思います、そのときは理解できないとしても。
    初めて読むのが歳を取ってからだと、
    理解はできてもどう評価したら良いのかわからない感じになってしまいます。

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    2022年03月16日
  • 肉体の悪魔

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    訳者中条省平さんの解説から引くと、筋書きは、

    早熟な少年が、人妻に恋をし、その夫が戦争に行っているのをいいことに肉体関係を続け、彼女の生活をめちゃめちゃにしてしまう、

    というもの。
    作者の実体験に基づいて、16〜18歳のときに執筆されている、というのが、まず驚き。
    ヒロインであるマルトの人格がよく分からないというか共感し難いのだけど、古典新訳の対象として選ばれたのは何となく理解できるような。
    『カフェ古典新訳文庫』で思い入れのあるひとの文章を先に読んだからかもしれないが。
    少なくとも100年前の小説には思えなかった。

    三島由紀夫が惚れ込んだ作者と作品らしい。

    赤ちゃんの父親が誰か、とい

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    2022年02月12日
  • 肉体の悪魔

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    ネタバレ

    意図的に入りこまないで読んでしまったのは反省。態度の問題。

    心身がどうにもならない恋愛をしているとき、またその記憶が新しいときに読んだらすごいのだろうなと思った。そういう意味では時期も悪かった。この主人公の当事者感というのは当事者として感じれたらほんとうによかったのに。そういう意味ではサガンは読みやすいな。あと出てくる人物が身体的というよりは、精神の動きだけが全面に押し出されていたのも、この主人公なり人妻を誰かとしてイメージできるとつよいが、普通に読もうとするとどうしても文章が流れる。でもやっぱり態度の問題。反省。

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    2021年12月06日
  • 肉体の悪魔

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    ラディゲと言われても良く知らない。コクトーと言われると「オルフェ」を思い出す。その程度の知識で読んでみた。
    物語自体は刹那的で破滅的なひたすら身勝手な若者の恋愛悲劇で、正直、だから何?的なものではある。だがしかし、一人称の語りが一貫して第三者的であり、なおかつ詩的で、この小説を単なる恋愛悲劇と呼ばせない文学的な厚みを持たせている。実際、その表現力は実に的確で、詩的だ。
    「猫だって一生軽いコルクに悩まされるより、ひと月だけ重い鍋を引きずるほうがましだと思うにちがいない。」
    「この残忍な愚弄は、愛が情熱に成長するときの声変わりだった。」
    「妻を亡くし、これほど誇り高く絶望を克服する男を見て、いつか

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    2017年11月14日
  • 肉体の悪魔

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    ★3.5。
    こんな若者が人間の内面、つまり行きつくところの自己中心主義をメロドラマに乗せて抉り出すとは。
    あくまで主人公の内面にのみ焦点を当てることで、読者にマルトはじめとした他の登場人物の内面を考えさせる構図もこの作品では成功しているのでは。
    マルトは当然ながら父親が凄く気になる、彼は息子を通して何を見ていたのだろう?
    共犯者なのか、無関心なのか、愉快犯なのか、考えれば考えるほど色んな妄想が膨らみますな。

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    2014年04月24日
  • 肉体の悪魔

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    P189「御者は三度のキスを見たと思っただろうが、最初のキスが続いていたのだ。」

    残酷な愛。
    この未熟な精神と行動を、冷酷に分析し直して書いている姿を思い浮かべると不気味な感じがする、、、それともあえて客観的なのかしら。


    さすが光文社文庫は翻訳がうまいと思う。

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    2013年11月28日
  • 肉体の悪魔

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    二十歳で夭折した20世紀フランスの小説家レイモン・ラディゲ(1903-1923)による、自伝的要素を含んだ処女小説、1923年。

    本作品の舞台が戦時下であると語るところから、物語は始まる。

    「僕はさまざまな非難を受けることになるだろう。でも、どうすればいい? 戦争の始まる何か月か前に十二歳だったことが、僕の落ち度だとでもいうのだろうか?」

    第一次大戦という、深甚な虚無に否応もなく曝された少年。時代が少年にも強いる精神の屈折。無邪気で在ることを許さない、屈折。

    それでもこの少年は、子どもじみた万能感から、自分が子どもであることを否定して成熟した大人であろうと、心理に於いても行動に

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    2013年08月28日
  • 肉体の悪魔

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    超クールな15歳の少年が19歳の人妻マルタと不倫愛に陥る話。
    少年が肉体に溺れることもなく覚めた目で観察してるのが怖いところです。妻を信じてるジャックが不憫。

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    2011年08月31日