小川進のレビュー一覧
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ネタバレ1971年、トヨタの「かんばん」をデジタル情報化する。
60桁以上の情報。
バーコードシステムの独自開発。
NDコード 3桁*21=63桁
1977年導入
CCDでスキャン セブンイレブンPOSにリーダー納入
2次元バーコード開発目標
200桁、ワンタッチ、即時、耐汚れ、生産物に印刷
マトリックス型⇔スタック型
方向性なし
高密度
切り出しシンボル ;早く正確に
ファイダーパターン
電車から目立つビルから発案
「迷ったら、手を動かす」
様々な印刷物のフォントから
白黒比の少ない比率を見つける。3カ月。
■枠:□枠:■=1:1:3
1994年7月完成 先 -
Posted by ブクログ
ネタバレすごく面白かったです。
QRコードが誕生した背景を知るだけでなく、本書からは、とことんこだわることの大切さが学べます。
若い方に、ぜひ読んで頂きたいです。
著者の著述がとても分かりやすい。
「後述する●●が」などと、読者が迷子にならないような気配りも感じられます。
物語としては、登場する関係者一人ひとりの強いモチベーションに感動しました。ページをめくるたびにわくわくしました。
また、特許権を持っても権利行使をしない「パブリックドメイン」のメリットがよくわかりました。
実は、前半を読んでいる間は「奇跡なんて失礼。関わってきた一人ひとりの努力の成果じゃないか」と思っていました。
「奇跡」 -
Posted by ブクログ
いまや目にしない日はないQRコードは、トヨタ生産方式に対応するために、元々トヨタの一部門から独立したデンソーにより生み出された技術。
QRコードが一般化したのは、中国におけるペイメントでの普及の影響も大きいため、日本の技術であることを知らない人も多いのではないだろうか。
この技術に関してデンソーは、世界的な普及のために特許は取得するものの、特許料などは請求しない形をとったことで、元々は製造業の中だけで使われる技術であったが、いまではインターネットの世界でも広く活用されている技術となった。
ただ、単に特許料を取らなかったから広まった、というわけではなく、日本の自動車工業会の標準コードとなり -
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ネタバレ・専門家に対して一般消費者の嗜好、考え方は揺れ動く。動く消費者の嗜好から生み出され集計化される「群衆の知恵」もある。
◉イノベーションを起こすリードユーザーの条件
・ニーズに先行的に直面している
・期待便益が大きい
◉リードユーザー発見のアプローチ
・標的市場の最先端に注目
・似てる市場の最先端、極端課題に直面するユーザーに注目
※スクリーニングよりピラミッディング
◉CCC(集団的顧客予約)は延期やマスカスタマイザーション(部分ごと選択)より市場リスク削減。
実績のない革新的製品開発か、小規模で不均質な市場に向いてる。
◉多様性が能力に勝る。
母数が大きくなる場合(消費者の多様性) -
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以下の教訓は、組織間だけでなく、個人間でも役立つと思う。別の本で、自分を売り込むためには貸しを作る(信頼残高を貯める)ことが重要であると書かれていたのを思い出した。
●柴田彰氏の言葉:
・「委員会に積極的に参加し、委員長役を担い、自社のためでなく他社のためにも努力を惜しまないことで、いざというときに自社がどうしても実現したいことを進めることを他社が認めてくれるようになる」
・「自社の利害とは関係ない案件についても一生懸命、委員(長)や代表者として取り組む。有事の際に自分たちが本当にやりたいことを通させてもらうには、平時にしっかりと他の人たちの利害も考えて行動しておくことが非常に重要」
●具 -
Posted by ブクログ
これまでイノベーションを起こすのは大企業や大学、大きな研究所等であると思われ、各種施策も消費者自身もそう思っていたが、ITやもの作りの環境が変化・進化・一般化したことで、イノベーションが一般消費者でも起こせるようになっている。本書でとりあげられている商品だけでなく、確かに身近にそういう事例が増えている気がする。マスキングテープの事例では消費者がいろいろ自前で調査を行い、ニーズの確かな証拠をもってメーカーを動かすことに成功したわけだが、技術の進歩や低価格化によって、この「証拠集め」が簡単になっているのだと思う。3Dプリンターの普及などはまさにこれに拍車をかけるだろう。一方、たいていのものが揃って
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Posted by ブクログ
トヨタの「かんばん」方式に伴うアナログな手間を省力化するためデンソーの技術者が「かんばん」用のバーコードと読取機を開発。後年、車種や部品点数の増大に伴い、バーコードを超える情報量を取り扱える2次元コードを開発が急務となり、QRコードが開発された。バーコード読取機開発にあたり、今では完全にアウトであるが、松下電器に見学に行き、一人が先方の担当者を質問攻めにしている間、コッソリと読取機を分解して回路構造を取得した逸話が面白かった。
QRコード開発後は海外のトヨタ工場でも使用できるようにするため標準化に向けた活動を行う。国際標準コードとなった後、パブリックドメイン化した事により、開発者であるデンソー -
Posted by ブクログ
たった一人の天才の功績ではなく、チームの総力戦で大成功を成し遂げた物語。
これは参考にできる点が多い。
平成の30年間、さらに令和時代の現在でも日本企業ではなかなか画期的なイノベーションを生み出せずに停滞感が漂っている。
今でも試行錯誤を繰り返している会社が多いと思うが、このQRコードの話はものすごく示唆に富むのではないだろうか。
結局飛躍するような発想や技術力が必要なのは確かだが、それだけでは決してイノベーションは成功しない。
一歩も二歩も高く飛躍していくための手法が本書では数々語られている。
特徴的なのは、それらが決して最初から計画されたものではないということだ。
確かに戦略についてはそれ -
Posted by ブクログ
QRコードがどうやって出来たのかが分かりやすく書いてある。
最初は工場で効率よく荷物をやり取りするにはどうしたらいいのか?から始まる。
荷物が動くと伝票が発生し、それを処理するのに時間がかかるので、どうにかできないか?荷物自体に情報をのせてはどうか?バーコードより情報を増やして読みとりやすくするには…など課題を解決するにあたって、たくさんの人と時間とお金がつぎこまれていく。また、海外でも共通して使うには?ほかの使い方はあるのか?と、どんどん広がっていく様がおもしろかった。
簡単に使えるものこそ、いろいろと手がかかっているのだなぁと思った。