伊東守男のレビュー一覧

  • うたかたの日々
    シュールで幻想的。「ピアノカクテル」「心臓抜き」「嘔吐の形の指輪」など。すぐ人が死ぬし死に方も異常だし、よく考えたら主要人物たちだけが比較的まともなようにも見える。 なんで睡蓮なんだろうなあと花言葉を調べたら「心の純潔」とか「滅亡」みたいな意味があるらしい。なんとなくしっくり来た気がする。美しい。
  • うたかたの日々
    大学の卒業論文をこの小説で書きました。正確にはこの小説と岡崎京子先生の漫画版で書いたのです(`・ω・´)フランス文学科だったにもかかわらずフランス文学が苦手だった私。。この作品がなかったら大学を卒業できなかったと思います。ボリス・ヴィアンの描く悲恋。独特の比喩や擬人表現に、戸惑う人が多いですが、一度...続きを読む
  • うたかたの日々
    ものすごく独特の世界。
    1P目からにきびが自発的に引っ込んだりして、もしや誤訳?と思いながら読み進めると、どうやらそういう世界らしい。
    こうあるべきが具現化されている、まるで現代アートを読んでいるような感覚になる。これは独特だなぁ。

    描写は細かくなく、現実感を欠いている。

    結婚するまでは薔薇色ふ...続きを読む
  • うたかたの日々
    最近読んでない。から具体的な文章については覚えてないので触れられない。が、中学生の頃からの愛読書。というか、暇で切実で溢れる万能感と閉塞感で酸欠気味にボケーとしてる時に読むべき。
    結局、この青春群像で無事に生き残ったのはアメリカ人の料理人だった。
    ゆっくり読む時間がないので岡崎京子のまんが盤が便利。
  • うたかたの日々
    ずっと探していたものを見つけたみたいに嬉しい。
    大好きな、大好きな小説。
    全てがパーフェクトです。
    あらすじはもとより、純粋と残酷のバランス、エッジの効いたユーモア、美しさ、淡々と壊れていく破滅感。

    最高です。
  • うたかたの日々
    非現実と現実が混ざり合う一冊。
    クロエの肺に睡蓮が咲くという奇病は悲しくも美しい。
    貧乏が引き起こす数々の不幸。

    いつも読んでいる小説とは違い、世界観に溶け込むのが難しかったけれど、本当に美しい小説だった。
  • うたかたの日々
    悲劇的な、あまりに悲劇的な恋愛小説。
    これ以上に悲痛な作品を、ぼくは未だ読んだことがない。

    "二つのものがあるだけだ。それは、きれいな女の子との恋愛だ。それとニューオーリンズかデューク・エリントンの音楽だ。その他のものはみんな消えちまえばいい。なぜって、その他のものはみんな醜いからだ。"

    そんな...続きを読む
  • うたかたの日々
    儚さは美しい。だけれども、儚さは罪にも・・・。「深い愛」を持つ難しさを感じてしまう。が、互いを想う“強い気持ち”があれば、大丈夫。それが儚さから永遠へと続くのだから・・・
  • うたかたの日々
    ボリスヴィアンの頭の中はどうなっているんだろう?物凄い大恋愛物語なんだけど、狂っている。美しいまでに。
  • うたかたの日々
    美しいですね
    基本的には純粋に恋をする男女3体3の物語です。
    文が幻想的で浮遊して掴めないような印象がありました。
    それでも熱い恋の話には違いありません
    良き本でした。始まりから終わりにかけて寂しくなってきますが
  • うたかたの日々
    コランとクロエの恋の話。人は簡単に死んだり、部屋の大きさが変わったり。そして、クロエの肺には睡蓮が生長するというように物語世界が不思議に彩られている。本当に不思議で滑稽な物語。
    とらえどころがないとも言える。主人公の名前の響きが好きです。
  • うたかたの日々
    なんとなく、小洒落た仏版サリンジャーみたいなイメージを持ってたんだけど全然違った。アシッドでサイケ。
  • うたかたの日々
    これまた「百年の誤読」から。前半折り返すくらいまでは正直結構しんどくて、というかついていけてなくて、四の五の言わずとりあえずこの世界観を受け入れれば良いんだ、と思えるまでに時間を要した。ともすれば強烈にスプラッタ的になる場面が、サラッと流されてたり、唐突に現実離れした発明品が登場したり、とりあえず思...続きを読む
  • うたかたの日々
     コランとクロエ、シックとアリーズ、どのカップルも純で真っ直ぐに愛し合っているゆえに世界と均衡がとれなくなっていく様子がとても切なかった。肺に睡蓮の花が巣食う奇病にかかったクロエが周りの世界と共に衰弱していく様子に、解説で小川さんがおっしゃっているように、そこから解放されるには死しかないことがひたす...続きを読む
  • うたかたの日々
    ミシェルゴンドリーの映画を観て、世界観は好きなんだけど見せ方にいまいち入り込めず、本を読んでみました。
    同じ物語の世界なのに、前半と後半でまるで違う光とか温度とか匂いとか。
    そういうものがページから伝わるのがすごいなぁ、と。
    あと逆に映画のアレンジのおもしろさもわかった。
    いやぁ、すごいロマンチック...続きを読む
  • うたかたの日々
    現実的でない夢を見ているような…。
    私はこの本が気に行っている。
    胸に睡蓮の花が咲く奇病にかかる主人公の恋人。
    幻想的で美しいが、ある意味残酷な物語。

    映画もいい。
    本同様、たまに見返したくなる。
    幸いなことに、録画したものが手元にある。

    本筋は置いといて、
    この話にはカクテルピアノなるピアノが...続きを読む
  • うたかたの日々
    とても不思議な小説だった。不思議なことが普通なことのように描かれていて最初は戸惑ったが、読んでいるうちに世界に入り込んでいけた。
    肺に睡蓮の花が咲く病気におかされた妻の病状を和らげるために、花を部屋中に置く主人公。花を買うために憂鬱な仕事をする。
    不思議な世界の中にも現実的な世界ときちんとリンクして...続きを読む
  • うたかたの日々
    <裕福な青年コランは友人のパーティーで出会った美しい女性クロエと恋におちる。
      デュークエリントンの曲と同じ名前の彼女と送る幸せな結婚生活。しかし彼女には・・・>

    カズオイシグロの作品は全てハヤカワep文庫より出版~。
    ということですっかりハヤカワep文庫支持者になりました。
    そしてそれではハ...続きを読む
  • うたかたの日々
    独特の世界観と描写についていくのは大変だけど、少しづつ壊れていく感じは好きだな。
    イメージしにくいんだけと、映像的という、ちょっと不思議な感覚だった。
  • うたかたの日々
    綺麗な音楽のような小説だと思います。
    イメージが現れては膨らみ、飛躍し、変化し、また現れるような感じ。

    スケートリンクで頭が飛んでいっちゃう場面はちょっと笑いましたが、そういう突飛さも含めてイマジネーション溢れるのがこの作品の好きなところです。