伊東守男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
数年前に、この小説を題材に書かれた岡崎京子さんの漫画と、この小説のオマージュ映画『クロエ』を観ていて、両方とも不思議なお話だと思った記憶があります。
特に漫画はこの物語をそのまま漫画化したもので、それが岡崎京子さんの独特のタッチとあいまって、とても印象に残りました。
小説は…たぶん、受け付けない人は全然受け付けないタイプの作品だと感じた。
軸は恋愛小説なのだけど、SFであり、ファンタジーであり、見方によるとサスペンスでもあり。
とにかく不思議。日本人が書く小説ではないなってすごく感じた。(ボリス・ヴィアンはフランスの作家)
ありえない設定も出てくるし、脇役はありえないくらいあっさり死んだり殺 -
Posted by ブクログ
昔、小学生の頃か、友達とスイカを一緒に食べているとき、種を飲み込んだら胃の中で芽が吹いて最悪死ぬこともあるんだぜ、という忠告を貰ったことを思い出した。
身体の中でスイカ発芽だとどうしようもない間抜けだが、これが睡蓮の花咲くとなると途端に悲劇的な運命の感が出てくる。
なぜ睡蓮の花が肺に咲くのか一切説明が無いように、この小説はただ作者のイメージの跳躍に任せ読者もそれを味わうことに尽きる。
筆者がトランペット奏者であるのも関係しているのだろうか。作中物語の展開のイメージに合わせて主人公とヒロインの住む家も変形していく様は、ポーを中心としたアメリカ的怪奇趣味をむしろフォローしているかのように思える。
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Posted by ブクログ
1947年に出版されたボリス・ヴィアンの代表作であり、SF的な世界がフランス流のスノッブさで味付けされた恋愛小説。
富豪の家に生まれた青年コランは、美少女クロエに出会い熱烈な恋愛関係に落ちるが、クロエを肺に睡蓮が成長する奇病にかかってしまう・・・、非現実的な設定で、スラップスティック的なユーモアも溢れる作品世界の中で、唯一コランがクロエを思う気持ちだけはストレートなものとして描かれる。
個人的にはこうしたスノッブな世界観はあまり好きではない。フランスは恋愛小説の宝庫だと言われるが、恋愛小説を殆ど読まない自分にとっては、アンドレ・ブルトンの「ナジャ」くらいの一途さが欲しい。
次は岡崎京子が