佐藤真言のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
粉飾決算は中小企業にとって必要悪である。
これに納得できるかどうかに尽きる。
正直中小企業の決算とか全く知らない立場からすると直ちに肯定できないものがある。
真面目に決算してる中小企業に失礼じゃないのだろうか?とも思う。
粉飾を必要悪だと割り切ってしまうのがコンサルとして正しいのかもわからないけど、裁判では戦いずらいのは容易に想像がつく。
本音と建前の日本の社会を見せつけられる気もするけど、プロフェッショナルとしてのコンサルがそういう選択でいいのかという疑問は残る。
それぞれのポジショントークが散りばめられている本だとも思い、金を稼ぎ生きていくというのは大変なことなんだと改めて感じさせられた。 -
Posted by ブクログ
中小企業の税務やコンサルティング業務に携わる者には必読の書だろう。本書から何を感じ取るか、個々人で違いがあると思うが、敢えて感想(ややネガティブだが)を述べてみたい。
中小企業を助けようとする著者の奮闘ぶりは感心するし、著書の言い分にも一応納得できる。確かに、予め出来上がっていたシナリオに乗せられてしまった感も強い。しかしながら、粉飾に加担して融資を引き出した罪は重い。
中小企業経営者にとって、自分の会社は100%の存在であるが、コンサルタントや税務顧問にとっては、所詮取引先の1社だ。立場の違いがある以上、これは致し方ないことであり、経営者とコンサルタントが一体になることは不可能だ。仮に、一体になれると考えていたとすると、かなりナイーブと言わざるを得ない。ドライかもしれないが、顧問先との「適度な距離感」を保つことが重要だと思う。
さらに、右肩上がりの成長が期待できた時代とは異なり、粉飾を隠したままで将来の収益で(粉飾が)解消できるというのは、甘い見通しと言わざるをえない。仮に黒字が続く(楽観的な)見込みがあっても、内外の経営環境の変化で損益が大きくブレ、将来予測は大幅変更を余儀なくされるケースが多い。しかも、環境悪化に対する耐性が大企業に比べて弱いのが中小企業である。
また、コンサルタントが示すことのできる収益(利益)アップ策は、コストカットが中心だ。コストカットは、(売上アップに比べ)予想しやすいし、効果がすぐ目に見える。しかし、コストカットは、現在の出血(赤字)を止めるのが精一杯の手段である。過去の(累積的な)負の遺産である粉飾を解消するには、材料として不十分だ。加えて、コストカットが長期化すれば、全体のモチベーションも下がり、縮小スパイラルに陥る。粉飾がそう簡単に解消しないことは、過去の実例からも明らかだろう。
一方、コンサルタントは自分で会社の製品を売り歩くわけにいかないから、売上アップは結局、会社(社長)頼みになる。しかも、売上アップというのは、かなり不確実性が高い。今回の手記のケースも同様である。結局、収益(売上ー費用)改善の一部しか、コンサルタントは担保できないのであり、収益予想も不確実なものにならざるを得ない。
なお、蛇足ではあるが、「売上アップ」を標榜するコンサルタントの実績については、相当「割り引いて」判断する必要がある。
ありきたりではあるが、やはり正攻法(セオリー)に勝る手法はない。たとえ教科書的と揶揄されようが、セオリーから外れた方法には、どこか危うさがつきまとう。
粉飾に加担するのは論外だが、粉飾の事実を知ってしまった場合にどう対応すべきなのか、改めて自身の襟を正す機会を本書は与えてくれた。決して対岸の火事ではない。
なお、今回の事件の背後にある、中小企業を巡る金融機関の融資実態であるが、この点は日本の金融システムに係る制度的な問題であり、この点は早急に解決しなければならないと強く感じた。
内容的には★3であるが、仕事の取り組み姿勢について、考える材料を提供してもらったという点で、★4の評価とした。