A・A・ミルンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
遂に出ました新訳版! クマのプーさんで有名な英国の劇作家ミルンが書いた長編探偵小説。百年前に書かれた素人探偵二人組のホームズとワトソンっぷりを堪能あれ。
この作品が大好きで、旧訳も何度も読み返してますが、新訳の方もとても読みやすく仕上がっていて良いですね。この話が好きなのは、ワトソンがちゃんと役に立つ。機転が利いて仕事ができて、それでいてホームズ役との揺るぎない友情に溢れていて、そして文章の端々から匂い立つミルンらしいユーモア、作家自身が推理小説好きだから伝わってくる「英国黄金期」の良いミステリの空気感……とどこを読んでてとても心地よいのです。
加納朋子さんの巻末解説がこれまた素晴らしかったです。
旧訳版で入ってた見取り図がなくなったのでちょっと屋敷の構造が分かりにくいかもしれません。それと、はしがき(『赤い館の秘密』によせて)は、旧訳版では文庫頭に入ってました(現在手に入る英語の原書も、イントロダクションとして冒頭に入ってます)が、この新訳では末尾に持っていっちゃいましたね。理想の探偵小説とは、ワトスン役について…と熱く語ってるこのミルンのイントロダクションは、これまたとても好きな文章です。 -
Posted by ブクログ
ミルンが推理小説を書いているんだ、と手に取る。
オリジナルはThe red house mystery, 1921
筋立はシンプル、登場人物もはじめはたくさん居るものの、すぐに退場し、残りの時間はほぼ3人だけ。
いまから百年以上も前のミステリーで、現代の読者ならトリックはだいたい読めてしまうとは思うが、駆け引きやヒントの出し方など、もろもろの運びも上手で、ストレスなく楽しく読んだ。
なにより、解説にもあるとおり、探偵役やワトスン役の人格が上品で素敵なので、そこを楽しんで読んだ。
ウッドハウスのような、お金のある田舎のお屋敷の人間関係や生活様式が楽しい。
ミステリー大好きだった亡き父のために書いたと言うミルン。
息子のためにプーさんを書いたひとが。優しいねえ。 -
Posted by ブクログ
『クマのプーさん』は子どもの時に読んだけど、同じ作者が推理小説を書いてるなんて知らなかった。
しかもその作品は、乱歩ベスト10の堂々8位。
裏表紙からあらすじ少し。
赤い館で銃声が轟いた。死んだのは15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄だった…。
推理小説なのにずっと優しい。
クマのプーさんがいつ登場しても違和感ないんじゃないか?ってくらい全部ほんわかしてる。
A・A・ミルンさんという人は、上品で優しい紳士なんだろうなと読んでてずっと感じた。
この作品は、ホームズのような超人的な名探偵とへっぽこワトソンではない。
素人探偵のギリンガムは、性格が良くて優しくて、ワトソン役を褒めて伸ばすタイプ。
ワトソン役のベヴァリーは、よく気が付くし、役に立つし、こちらも性格がすこぶる良い。
とにかく2人の仲が良くて楽しそう♪
古典なのでトリックが古いなどは考えないようにしてるけど、さすがに素直でストレートに感じる。そこが良さかもしれないけど。
これ以上優しさ溢れるほんわかした推理小説は他にはないじゃないかと思う。
私は絵本や児童文学はほんわか系が好きだけど、推理小説はクセ強めが好きというワガママな好み(^_^;)
推理小説ではもう少しブラックなミルンさんを期待してしまった。 -
Posted by ブクログ
若い頃、赤川次郎さんの作品が好きで、赤川さんが好きな推理小説ということで、当時読んだ別の訳のものは判りづらくて挫折したが、今回の新訳版は何が素晴らしいのか、はっきり理解できた。
「クマのプーさん」でお馴染みの、ユーモア作家「アラン・アレキサンダー・ミルン」が唯一書いた、この推理小説(1921年の作品)が、日本の江戸川乱歩の探偵小説黄金時代のベストテンにも選ばれていたのは初耳だったが、シンプルながら見事な伏線と、意外なところからストンと気持ちよくオチるトリックは素晴らしく思えたし、タイトルもある意味上手く、私もすっかり惑わされた一人です。
また、この作品の特徴的なところはドロドロした感じがなく、すごく爽やかに物語が展開されるところと、弱者に対する優しい視線であり、探偵役のギリンガムと助手のベヴァリーの楽しささえ感じさせる描写には、嫌味な感じは全く無く、ラストのさりげない思いやりに心動かされたのは、赤川次郎さんの作品に近いものを感じたりもしました。