岩下明裕のレビュー一覧

  • 入門 国境学 領土、主権、イデオロギー

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    【あいだの視線】国や文化,そして民族の境界に焦点を当てるボーダー・スタディーズ(境界研究)を紹介した作品。数々の事例を紐解きながら,境界から眺める視点の重要性を訴えています。著者は,北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターで教授を務める岩下明裕。


    あまり聞いたことがない学問だったので,まず「こういう見方があるんだな」という点が知れただけでも大きな収穫。題名は「国境学」となっていますが,国と国との関係にとどまらない複眼的な関係をもボーダースタディーズが視野に入れていることがよくわかりました。

    〜ボーダースタディーズ,つまり境界研究は,一つの空間がもつさまざまな彩りをその境界が重なりあう場所

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    2018年03月28日
  • 入門 国境学 領土、主権、イデオロギー

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    「読み応えが在る」という点を押し出すべきか、「読み易くて愉しい」という点を押し出すべきか、本書を巡るコメントを求められると、些か回答に窮する。「読み応えが在る」と「読み易くて愉しい」とを兼ね備えた一冊なのだ!!本書を手に、「ボーダー・スタディーズ」或いは「国境学」というものが、きっと拓いてくれるであろう新たな世界を感じてみて頂きたい…

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    2016年05月24日
  • 入門 国境学 領土、主権、イデオロギー

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    国境とは浮動であると同時に地政学面の問題まで考えさせられた。世界の様々な国境を見ていきその都度楽しめた。北方領土,竹島,尖閣についても言及しており各々の現状やその先を考えるのに良い。

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    2016年04月28日
  • 北方領土・竹島・尖閣、これが解決策

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    著者は、日本が権利を有していると考えている海域が、「実はファンタジー?」と説いてみることから綴り始めている。色々と問題や争いが多いことを指摘している。その上で、題名にも在る北方領土・竹島・尖閣に関することを解く…

    実は日本では“境界”、“国境”ということに関して、「然程、問題意識が高くないのではないか?」というのが著者の説である。“知らない”とか“実感が薄い”ような人程、関連の話題でセンセーショナルに騒ぐとも指摘する。或いは、この種の問題だけではない傾向かもしれないが…

    なかなかにお勧め!!

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    2014年02月27日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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    完全に解決した領土問題である中露の国境問題の方法論を分析し、日露間の「北方領土問題」に適用するにはどうしたらよいかを細かく考案している。
    特筆すべきなのは筆者のスタンスが冷静であることだ。サブタイトルの通り、四島返還論や二島返還論ではなく、二島+αを考えていくことを主張しているものの、筆者はその他の立場についてもその価値を認めている。
    過去の歴史に学び現在に活用するという視点でも重要な示唆を与えてくれる良書。北方領土問題に感心のある方は一読をオススメする。

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    2011年10月11日
  • 入門 国境学 領土、主権、イデオロギー

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    境目好きにはたまらん内容!ただし少し学術すぎるキライはあるし、横文字が多いなあという感想。でもおもろかった

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    2016年05月08日
  • 入門 国境学 領土、主権、イデオロギー

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    ネタバレ

    国境を越えると風景が一変する事が多い。日本人は飛行機での国境越えが多いので、それが当たり前と思っているが、歩いて国境を越えた時はその変化に驚く。国境は人間が勝手に決めたもので自然は同じなのに政治が違うとこんなにも風景が変わるのかと驚いてしまうのだ。
    この本はそんな国境の事情を詳しく解説してくれている。

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    2016年04月27日
  • 入門 国境学 領土、主権、イデオロギー

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    読みやすくするために仕方ないのかもしれないけど、ボーダースタディーズの詳細に触れられず、抽象的なままに終わってしまった印象。対象が国境であれば扱っていくスタイルなのだろうか、と思われるんだけど、そうでもないらしく…

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    2016年04月14日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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    その後、某社から竹島、尖閣を含めた解決策についても書かれておりますね。

    中ロの事例を参考に、日ロ双方が納得できる方法を模索されていらっしゃいます。
    ほかのレビューにありましたが、「北方領土問題」がいつから問題化したのか等の経緯や双方の主張・論点が書れている本は案外少ない。と書かれた方がいらっしゃって、それについて同意でした。

    これからの人にとっては、そこの部分を知ることも今後のために不可欠だと思います。

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    2014年04月02日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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    ロシア外交を専門とする著者が、北方領土問題を中ロ(ソ)の国境問題と比較して議論を展開する。19世紀から続く中ロ国境問題は、国際法ではなく係争地を分け合う政治決断によって解決された。著者は、中ロの方法を参考に、日ロ双方がウィン-ウィンで解決する方法を模索する。

    著者の提起は興味深いが、本書の一番の価値は北方領土問題の事実の分析だと思う。教科書にも載る領土問題だが、「北方領土問題」がいつから問題化したのか等の経緯や双方の主張・論点が書れている本は案外少ない。本書は、日ロ双方のバランスをとりながら、北方領土問題について客観的かつコンパクトに記述している点が好感を持てた。

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    2012年08月23日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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    ネタバレ

    中ロの領土問題に詳しい著者が、中ロの領土う問題解決方法を例に挙げながら、日ロの北方領土問題を考えるもの。

    特に中ロの問題などは知らないことが多く、知らない地名が多かったので理解するのに苦労した。
    日ロの問題についてもある程度の知識を持っていれば、興味深く読み進めることができると思う。

    領土問題や国際社会での日本のあり方などは、どちらかと言えば無関心であったが、今後関心をもって考えて行くよいきっかけとなった。

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    2012年05月06日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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    前半は中ソ/露間で行われた国境策定交渉のアプローチを振り返り、
    これを踏まえたうえで後半は日露間における
    北方領土の国境問題を検討する一書。

    構成が面白く、読んでいて全編にわたって飽きない。
    北方領土問題に暗い自分にとっても
    争点、問題がスムーズに理解できた。
    また筆者の主張も納得のいくものであり、
    ひとつの意見として非常に参考になった。

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    2012年03月10日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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    この著書は、「北方領土問題」というテーマを中露と日露の国境問題比較論を元に考察し政治的な妥協や日露間への応用の可能性を探っている。序章では現在なお続いている北方領土問題が、日本とソ連の戦後処理をめぐる一連のプロセスの中から発生した問題であり、1956年の日ソ共同宣言によるロシア側の2島返還検討と日本側の4島一括返還方針から始まる主張の食い違いからどう踏み出すのかが課題であるという。第1部では中露、中央アジアの国境問題を例に取り、法律的な議論を排除したフィフティ・フィフティ方式という相互の利益に配慮した解決方法が縷々解説されており、実に興味深い。第2部では中露の教訓を日露に適用して考察する。ここ

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    2011年04月23日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    「北方領土問題」は、日本とソ連の戦後処理をめぐる交渉のプロセスのなかで生まれ、1956年の日ソ交渉においても、これを解決することができず、平和条約の締結に至らなかった。
    以来五〇年、事態が進展しないなか、中国とロシアの間で、同じく第二次世界大戦に由来する国境問題が解決した。
    本書は、この係争地を互いに「分け合う」という政治的妥協に至る道筋を検討し、日ロ間への具体的な応用を探るものである。

    [ 目次 ]
    1 中ソ国境問題はいかに可決されたか(暗闇のなかの模索 相互に受け入れ可能な妥協 中国と中央アジア―中ロ方式の試金石 十三年目の最終決着)
    2 日ロ国境問題をいかに動かすか(中ロ

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    2011年03月30日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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    前半の読破には根気を要したが、後半から面白くなった。
    耳慣れない地名が大量に出てくるため、地図がもっと多く使われていれば分かりやすかった。

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    2009年10月04日
  • 入門 国境学 領土、主権、イデオロギー

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    国境学という名がついているが地政学の一分野と捉えてよいのかな?国境付近の町や離島を旅行することの意義にはなるほどと思った。日本人が行かないと実効支配が進んでしまえのは確かだなと。
    紛争の種であり、旅行者にとっては一大イベントの国境越え、なんだか想いをよせたくなるのは分かる。
    当然ながら国境の場所によって事情は様々で、歴史による拘束、文化の違い、資源の主張、人口動態、社会制度の違い、経済格差など、学問的な説明にはいろいろなありそうだ。

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    2023年09月03日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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    一読してわかったことは、とにかく領土問題に客観的見解などない、ということだった。

    だいたい、どこがあり得る「線」なのかということも、厳密にみると何とも言えないらしい。(千島列島の先かも知れない)

    日本政府は現状を不法占拠と見なしているが、ロシアにはロシアの言い分があり、お互いの主張は近くなったり遠くなったりしつつ平行線をたどったままなのだ。

    膠着状態が打開されない一因は北方領土が両国間にとって真に切実な問題ではないからだ、という指摘もあるが、宙ぶらりんな状況を早く解決しなければならないのは当然だろう。

    著者は、もとロシアと中国の国境画定プロセスの研究者である。(現・北大スラブ研究センタ

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    2019年06月13日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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     クリル=千島列島の日露国境問題解決への現実的提言。中露国境画定を参考に、日露双方の「面子」が立つ形で「4でも0でも、2でもなく」、歴史的経緯に拘泥しないフィフティ・フィフティとして、国後・択捉間での国境画定と4島の「特別区」化による政治的妥協を提示する。約10年前の著作だが、その間の日露両国におけるナショナリズム世論の急台頭と国内政治体制の保守・硬直化を考慮すれば、極めて楽観的で実現性は薄い。鳩山一郎内閣の日ソ国交回復交渉を、外因的に不利な状況の中、粘り強い交渉を通して利益を勝ち取った成功例として再評価している点が注目される。

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    2014年10月01日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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    メドベージェフ大統領の国後島電撃訪問(2010年11月)があったせいか,2005年12月発行の本書が平積みにされていた。真っ赤な帯が付けられ,そこには「ロシアの 言い分を知らずに 戦えるのか」という少し煽動的な文言が…。
    しかし,本書の中身はいたって冷静である。北方領土問題の発生の経緯と過去の交渉経過を整理した上で,中国とロシアとの間の国境紛争が全面的に解決された事例を踏まえつつ,北方領土問題の現実的な解決方法を展望している。
    2006年度大佛次郎論壇賞受賞作

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    2011年01月22日
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく

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     北方領土問題について平易にまとめられている新書だが、内実は、ロシアと中国の国境問題解決を日露間にも当てはめる、あるいは応用することは可能なのではないかという問題提起を伴った本。

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    2010年01月04日