田中圭一(日本史学者)のレビュー一覧

  • 日本の江戸時代 舞台に上がった百姓たち

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    検地は百姓の土地私有の確認。武士は土地を失なってサラリーマン。百姓は土地を私有し、売買し、商売の資本にもした。E.H.ノーマン以来の江戸封建論、農民窮乏論をくつがえし、百姓の活躍する江戸近代史論。(1999年刊)
    ・時代を創った百姓
    ・序論 江戸時代を考える視点
    ・第一部 時代転換の契機ー金銀山と田畑の開発
    ・第二部 領有から私有へー検地・五公・定免
    ・第三部 変化する幕府法令ー「御触書」と「御触書集成」
    ・第四部 近代の創造ー民衆の自由と生産
    ・終わりにーわたしの江戸時代観

    読んでいて、自分の既成概念が打ち壊されていくのが感じられた。文体も、人文書にしては読み易い。
    果たして、学会ではどの

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    2015年02月16日
  • 村からみた日本史

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    ネタバレ

    “歴史を正論という勝者の観念から現実に引き戻す”

    いわゆる通説というものに異を唱え、農民の真実の姿をあぶり出し、江戸時代をとらえなおす。
    そういう本です。
    つまり本筋ではないんですね、歴史のとらえ方が。
    だからどうにも攻撃的で独断的。

    とはいえ、江戸時代の農民がすべて虐げられ、窮乏生活を送っていたというような今までの歴史観は、私も疑問でした。
    何度も幕府が「倹約令」を出したということは、華美にはしる余裕があったことも事実なのでしょう。

    農民一揆が、暴徒が無計画に破壊しまくるものではなく、破壊すべきもの(農民を虐げ私服を肥やす輩)と、手を出してはいけないもの(庶民の味方)をきっちり区別し、

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    2017年03月15日