山本ケイジのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
作者、深沢美潮さんが描くフォーチュンクエストが好きで、作者繋がりで読んでみたのですが、近未来SFとまた珍しいものですね。
3つの短編を集めたもので、どれも違う味の物語を楽しめます。
確か3つの物語で共通しているのは、同じ場所と言うか世界と言うか・・・。どれも話が繋がっているようです。
ネットゲームの話を描くとは小説の中でも珍しいもので、読んでいるとゲームをしたくなるような感じがします。
個人的に3つ目の話、ファントムファーザーが一番好きです。
何故父が居ないのかと真実を求めようとする主人公ですが、その真実を知ってしまうと唖然としてしまうもので・・・。
短編小説が好きな方にはぜひお薦めしたい本です。 -
Posted by ブクログ
“どこからか、何かが裂ける音が聴こえる。
音のほうに首を向けると、遠くにかすむ終端のほうから線路が裂けていっている。
枕木が次々と真ん中でまっぷたつになっていく様子は、まるで鋭利な刃物で肉を裂いていくような爽快さだった。
そして、まっぷたつになった線路が、空中でふたつの相似形の線路へと再生していく......。
その様子は、どこかで見たことがあるような......。
(......あのさ、DNAって、線路みたいに見えない?)
......あ......。
生物の授業のVTRで見た、DNAそのものだ......。
そんなことを思っているうちに、二本の線路の一方は空中に溶けていき、もう一本の線路は、風に舞った帽子が降りてきたかのように、静かに地上に降り着いた。
静寂が周囲を満たす。
なにかの儀式めいた線路の鳴動は、静まったらしい。
しかし、あれは......いったい何だったのだろうか......?
「平行世界との分裂が、これで完了したのだ」
不意に、背後から声をかけられ、口から心臓が逃げ出すかと思う。
振り向くと、コッペリアが立っていた。”
中身はちょっと薄いなー。
ちょっとSFだかファンタジまじりの。
砂男の下りななかなか良かった。
あと後書きも。
そういう視点だったのかっていう。
“「おはよ」
不意に、長机の対面から声をかけられる。
この声は、ねるのさんだ。
ひょっとして、僕の居眠りで待たせてしまっただろうか......そう思って、顔をあげた。
そこには——大きなメガネをカタカタ揺らしながら、
鼻から滝のように鮮血を流す僕のカノジョがいた。
「か......かわいい寝顔だったよ、直也君......うっぷ」
机や床を惨劇的に赤く染めながら、彼女はのんきにそう言った。
「ねるのさん......寝顔見ただけでそんなに興奮しないで」
彼女の妄想力はただごとではない。
特に異性がらみのことになると妄想の膨らみ方が酷いようで、急速に体温が上がり、鼻血を噴いてしまう。学校で、僕となにげない日常会話をしていても、どの言葉から何を連想したのか、たまに噴血して倒れていた。この間の告白のときもそうだ。
中学のときの彼女には、何人ものクラスの女子を血祭にあげてしまったという武勇伝まである(ただし彼女自身の血で)。” -
Posted by ブクログ
“すると、那由多ソラが、
「あなたを守るため」
そう、短く言った。
「「はい?」」
モモとダニエルがユニゾンで訊き返す。が、那由多ソラは、
「そう」
と返事なのか、相づちなのか、うなずいた。まったく答えになってない。
「守る?あたしを?」
モモが訊く。
「そう」
那由多ソラは短く言う。
「なんで?」
「そのために此処にいる」
答えてくれてはいるようだが、やはり、答えになっていない。”
アンノウンスターズ。はこれで終わり、なのかな?
しかしこのシリーズは「しにがみ。」と繋がっていると考えていいのかどうなのか。
まぁ、それよりも、だ。
ソラ可愛いよソラ。
“「――ゲルマドライブっ!」
刹那。
奇蹟のようなヒカリが、雨空が作った薄闇をつらぬく。
同時に、何処からともなく――いや、あたりの空間が震え、大音量の『音楽』が鳴りだした。
響き渡る。
ロックミュージック。
流星の群れを踊らせる。
音楽。
解き放つ。
ヒカリ。
透り過ぎていく。
光は、羽ばたき、
モモの背中に栄える。
光の中心に立つモモの花車な手には、巨大な鈍色の鎌がにぎられ、光の波動に揺れる長い黒髪が――真っ白く変わっていた。
そこに、誰もが息を呑むような、ため行きをこぼすような美しい、光をまとった真っ白い、天使によく似た……、
「対幻魔専門機関、死神局所属ッ!死神『A』の一〇〇一〇〇号!スターゲイザー条約第五百億二千二項幻魔特殊特務権限をもって、たった今、この瞬間、この場で、キサマを――戦って殺れだっ!!」
“死神”だった。”