元木一朗のレビュー一覧
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遺伝子組換え食品に漠然とした不安をもってる人におすすめ。何だか気持ち悪いという「イメージ」も否定せず,「科学」も紹介。結論としては,メリットは大で,安全性は十分確保されているとする。
何だか得体のしれない物を「怖い」と感じる感情は,人間にとってまったく自然なもの。そういう恐怖は,進化の過程で有利に働いてきた本能だ。ただ,その恐怖が高じて,事実を誤認したまま遺伝子組換え食品を無闇に忌避する態度はちょっと考えもの。
科学的事実を重視するなら,現在栽培され,消費されている遺伝子組換え食品は,メリットが大きく,安全性は高く,否定する理由は見当たらない。反対派は,過去の遺伝子組換え食品スキャンダル -
Posted by ブクログ
副題は、インチキ数字に騙されるな。(2011年刊)
・本書の成り立ち
・登場人物紹介
・怪しいグラフ
・【漫画】ベクレルってなあに?
・原発対こうにゃくゼリーの決闘
・シーベルトを追え
・必殺の放射能1億倍
・ネット情報0指令
・疫学調査のひみつ
・科学コミュニケーションは誰のために
・焼肉屋の悪夢
・プロジェクト・風車
・【巻末付録】東浩樹×元木一朗 対談
・コラム
・総統閣下より愛をこめて
本書は、ユーチューブなど動画投稿サイトで人気を集めたMAD動画「総統閣下シリーズ」をベースとし、書き下ろしたものである。
本来、客観的であるはずの数字であるが、ある意図のもとに加工されることにより、歪 -
Posted by ブクログ
大震災直後の原発事故でシーベルトやらベクレルやら放射能の単位について色々と調べるうちに行き着いたのが、YouTubeでヒトラー映画(「ヒトラー~最期の12日間~」と言うらしい)をパロディにして「総統閣下」が放射能について語るお笑い解説だった。残念乍らその画像は著作権に抵触するとの事で削除されてしまったようだが、今ここに書籍版としてパワーアップして再登場だ。
科学に関しては判りやすいが何よりだが、それ以上に「面白い」が重要だと気付いた、と語る著者が生み出したのがYouTubeでの「総統閣下」シリーズだが、本書ではそのキャラを利用した会話形式で改めて放射能を始めとして世に溢れる様々な数字・データ -
Posted by ブクログ
すべからく情報というものは、一方向からの入力だけでは判断が偏ると思い読んでみた本。
著者はバイオテクノロジーの専門家であり、ITについても専門として関わっているようだ。本書の批判をすると、論点は「遺伝子組み換え食品は危険ではありませんよ」というものである。しかし、聡明な著者はもちろん一般の消費者が激しい心理的抵抗を持っていることは承知しており、直球の主張を避けたかったと思われる。膨大な傍証をあげ、時に二重否定的な論点を説いてみたり、「しっかりと議論が必要」と中庸な結論を書いてみたり、非常に迂遠な書き方をしているため、結局、論点がぼやけてしまって伝わりにくい。決して、著者の論点を単純に批判する -
Posted by ブクログ
総統閣下のおかげでベクレルとシーベルトの関係がやっと理解できました!
総統閣下万歳!
…という訳で。
難しい問題を難しく説明するのは誰でも出来る。
難しく問題を易しく説明するのは才能が必要。
普通はこの二つにひとつです。
しかし、本書のように難しい問題を面白おかしく説明して理解させるのはほとんどのひとがやろうとしない。
笑わせると解らせるは性質が異なる作業なのだから、相当のセンスが必要と思われます。敬遠されるのも無理ないですね。
総統閣下じゃなくて元木氏は類い稀なる才能の持ち主なのは間違いないでしょう。
それから、まさか澤井健先生の新作(?)が読めるとは思ってもいませんでした。