松尾たいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子供の時いつも遊んでいたおもちゃとか大切にしていたもの、一緒に遊んだ動物や友だち、人生のその時そのときに喜怒哀楽を分かちあった大切な人たち…。けれどそういったモノや人達はいつの間にか自分の目の前から無くなってしまっている。それらは、彼らは、何処へいってしまったのだろうか?もう二度と会えないのだろうか?そんな、誰もが胸の奥深いところで一度は思ったことがあるであろう問いに優しく答えるかのように、この物語は暖かく安心な場所へと誘ってくれます。松尾たいこさんのイラストから生み出された角田光代さんの珠玉の小説。私もずっと、同じようなことを、思っていたので、時が流れていくことが時にたまらなく辛く感じていた
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Posted by ブクログ
ネタバレとっても良かった。過去作にpresentsという短編集を出されているが、同じぐらいに好きだ。
presentsと同じように、人が生まれてから死ぬまでに得るもの・無くすものが描かれている。もちろん、タイトル通り、無くしたものにウェイトが置かれている。
主人公は雉田成子さんという名前で、生き物の声が聞こえたり、亡くなった飼い猫の生まれ変わりにであったり、生き霊になれたり不思議な出来事に出会ってはその現象に遭うことが無くなる。それをきっかけに、物ではないが得るものがあるということは、無くしたものが得たものに姿・形を変えて成子さんのもとに巡ってきたのだろうと思った。
そして成子さんが「なくしたも -
Posted by ブクログ
久しぶりに、あっと衝撃を受けた本。
本を読んで涙が出たのはいつぶりかな。
わたしも小さい頃から落し物したり、物をよく無くす。
それに、
大切にしていたペットや、大好きな人との別れ、
これからくるであろう永遠の別れを想像しただけで
本当に怖くて怖くて仕方がない。
でも、この本にあるように
なくしたものたちの国があって、そこに向かって毎日
少しずつ進んでいるのだとしたら。
自分が死ぬ時、みんなで待っていてくれて
また会えるのだとしたら。
死と、新しく生きることは、きっと同じことなんだ。
そんな風な、普段言葉だけで聞かされても、嘘だーと
思ってしまうようなことが、すーっと入ってくる。
生き -