内藤理恵子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昨今、シンプルに生きることを推奨する本がたくさん出ていますが、
そうはいっても人生は簡単ではないという実感が自分にはあります。
自分にとって哲学の本は、仄暗い足下を照らす灯火のような、
あるいは霧深い先行きの道しるべのような、とても効用的なものだと思っています。
けれど大抵の哲学書は難解だったり、難解ではないけれど面白くなかったり。
なので途中で投げ出してしまったことが過去にたくさんあります。
この本では映画という身近な題材を手がかりに、
「人間とは」「生きるとは」という哲学的思索が展開されます。
それは決して難解なものではありません。
著者の人柄がそのまま伝わるような、柔らかで解かりやす -
Posted by ブクログ
大学で国文学を勉強している者としては、文学テクストの解釈に作者の実生活の情報を持ち込んだり、筆者の印象論が多かったりして、途中で読むのをやめてしまった。
『ダンス・ダンス・ダンス』の五反田くんは、表向きは理想的な人間として生活しているが内面には狂気が潜んでいる、というユング心理学の理論にピッタリ当てはめることのできる「わかりやすいキャラ」であるが、一方『謝肉祭』のヒロインは心理分析できない複雑な人物である、という意見はなるほどと思った。
ドッペルゲンガー(分身)が登場する文学作品は結構多いらしい。それを主に、ユングの「原型」という概念で分析している。
原型のなかで、私たちが認識しやすいのは -
Posted by ブクログ
実は年単位で積本にしていた。
入門とあるが、どうだろう。入門かなという疑問はある。「死」というテーマについて対決スタイルで10章。VSの視点があることで特徴をつかみやすいという利点がある。今まで漫然と読んできた本の著者の主張について、ああ、そういうことかという気づきがある。
ヴィトゲンシュタインが部屋にサイがいないとは断言できないっていうエピソードがなんかヴィトゲンシュタインで震える。
この本は読む人を選ぶ気がする。というのも、例示がサブカル中心のため、全然自分が興味がない分野で語られている場合、ちょっと理解が難しいところがある。音楽、映画、アニメ、漫画、俳優、などなど。
と