あらすじ
超高齢化が急速に進むわが国では、「終活」の名のもとに、多くの人が死への準備をしているように見えます。しかし、人間は死を“予行演習”することはできません。ソクラテスが「哲学とは死のレッスンである」と述べたように、哲学こそが最強の「終活」なのかもしれません。
本書では「哲学者」の枠にとらわれず、釈迦、ソクラテス、プラトン、キリスト、空海、源信から、キルケゴール、ニーチェ、フッサール、ハイデガー、ヴィトゲンシュタイン、サルトル、セーガン、手塚治虫まで、「死」について考え抜いた偉人たちを取り上げ、そんな先哲たちの死生観と、彼ら自身が一人の人間として「死」にどう立ち向かったかをたどります。また、先哲たちの著作だけでなく、アニメ、ゲーム、映画、ドラマなども引き合いに出し、現代の死とさまざまなブームにも目を配っています。
難解な哲学書、聖書、仏典などをわかりやすく読み解き、死をキーワードに、哲学とキリスト教、仏教などの本丸に乗り込みます。
著者・内藤理恵子氏は、葬送文化のフィールドワーク、ペットの葬儀などの研究にも携わり、さまざまなメディアに登場する気鋭の哲学者・宗教学者。また、似顔絵師として生計を立てていたという異色のキャリアを持ち、その腕は本書でも活かされています。
誰でも一度だけ経験する「死」。重くなりがちなテーマですが、どこか笑える哲人たちの生きざまも軽妙に描かれ、読んで楽しい哲学入門です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
入門書というより
中級者向けかもしれないが、
ある程度知識があれば楽しく読める
ORこれから
これをきっかけに学ぶきっかけになるかも。
90年代オタクカルチャーのネタが多い。
Posted by ブクログ
様々な哲学者や宗教家の死生観を縦横無尽に取り上げているばかりか、それらの思想に結びつきそうな映画の紹介、さらには筆者お手製の図解までついている。
”死”についての結論があるわけではないが、名だたる哲学者の多くが”死”を(自己の)宗教感と結び付けているのは興味深い。進化生物学や進化心理学、ましてやドーキンス論の信奉者らから見たら、この死生観はどう見えるのだろう?
サブカルなどとも結びつけて、独自の考察をする著者の広範な知識とも相まって(不謹慎かもしれないが)楽しく読めた。
Posted by ブクログ
まだまだ哲学者の話は理解し辛いが
宗教家の話は少しずつ理解が近くなってきた
手塚治虫の作品は、小さな頃に読んだ
ブラックジャックくらいだが、ブッダなど読んでみたくなった
Posted by ブクログ
実は年単位で積本にしていた。
入門とあるが、どうだろう。入門かなという疑問はある。「死」というテーマについて対決スタイルで10章。VSの視点があることで特徴をつかみやすいという利点がある。今まで漫然と読んできた本の著者の主張について、ああ、そういうことかという気づきがある。
ヴィトゲンシュタインが部屋にサイがいないとは断言できないっていうエピソードがなんかヴィトゲンシュタインで震える。
この本は読む人を選ぶ気がする。というのも、例示がサブカル中心のため、全然自分が興味がない分野で語られている場合、ちょっと理解が難しいところがある。音楽、映画、アニメ、漫画、俳優、などなど。
とりあえず、リンキン・パークのMVは検索して見た。
そういう意味で、好き嫌いは分かれるだろうと思う。自分は割と楽しく読むことが出来た。ただ、自分が楽しかったからみなさんどうぞになるかというと諸手を挙げてみなさんどうぞとはいいにくい。サブカル大好きな人には逆におすすめ。