志水宏吉のレビュー一覧

  • 二極化する学校――公立校の「格差」に向き合う

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    教育社会学の立場からの説明である。筆者がかいているようにかなりわかりやすく説明しているので、現在の教育問題について学習したい学部学生にとっては最適なものであろう。また、教育社会学的な見方がすべてに見えるので、教育社会学を学習したいという学生にとっても最適なものとなるであろう。ただ、表が小さいのが気にかかる。

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    2023年03月27日
  • ペアレントクラシー 「親格差時代」の衝撃

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    人はだいたい、自分のいる階層がほかの階層と交わらない限り、そのメリット・デメリットについて考えることはないのだろう。
    そして今の日本は、それがどんどん交わらなくなっている。
    これを促進する要因のひとつが、「ペアレントクラシー」であることは間違いがない。

    本書は、教育社会学らしく、聞き取り調査やデータを元に分析し、わかりやすく、またさまざまな立場の人(生徒・保護者・教師・教育行政)に視点をうつし、公教育への提言につなげている。

    ここ何年か、子どもを育てていてはっきりと感じることがある。
    私たちの世代とは、「教育」のあり方がまったく異なってしまっていること。
    渦中にいて振り回されながら、「日本

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    2023年01月03日
  • 学力格差を克服する

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    教育社会学の研究成果を表したものである。さらに具体例もある。そして各事例から学力格差を克服するための方略として、1)高校までの無償の普通教育の保証、2)早期の分化の抑制とリカレントルートの整備、3)評価・配分機能の縮小、4)学校のカベを薄くし、授業を社会生活に結ぶつける、5)教育活動をできるだけ集団的、協働的なものにする。ことをあげている。

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    2022年05月07日
  • 学力格差を克服する

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    図らずも、この本にある「学力保障」はコロナによる加配教員の増員政策「学びの保障」の中で実現しているのでは?
    文科省主導で頑張っているが、この本の通りにうまくはいってないかも...!(たぶんこれもコロナのせいでもあるけれど)

    「学力格差」について体系的に知ることができてよかった。格差の定義、克服とは何か、公教育とは何かを明示してくれているので、ヒステリックな問題意識ではなく、将来性を重視した内容となっていてとても良い。

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    2020年10月06日
  • 福井県の学力・体力がトップクラスの秘密

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    福井県の強さの理由が納得できる本でした。
    学力向上について考えるのであれば、一読の価値はある良書です。
    実際に福井に宿泊して、学校を視察して、生徒・教師・保護者・地域の人と視点を変えてインタビューをしている分だけリアルです。

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    2015年05月13日
  • 「力のある学校」の探究

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    夏休み、本県の教育事情がかなり芳しくないことを知り、学校全体で成果をあげている学校について調べて見た。
    結果的に、「力のある学校」という考え方を知り、実際に子どもの家庭環境をも超える実践を行っている学校があることを知る。
    あきらめたり、希望をなくしたりする前に、何ができるのかと考え、行動する教師のでありたい。そのための良書と言える。

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    2012年08月09日
  • 格差をこえる学校づくり

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    教員関係者はもちろん、
    とくに管理職、教育行政にかかわる人にとって必読書であることはまちがいない。

    現代における教育問題の現実に、
    前向きにかつ希望を持って立ち向かうことができるエッセンスが、
    この1冊に凝縮されている。

    書いている内容は決して難しくはない。
    要は、書いてあることを実際に行動に移せるか否かの問題である。
    それには、管理職や教育行政のチカラが必要不可欠である。

    私はミドルエイジ世代の教員として、ミドルリーダーになるべく、
    この本を後ろ盾に、教育現場でカラダを張っていきたいと思う。

    本書に書かれていることが、
    日本全国のナショナルスタンダードになることを願いつつ・・・

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    2011年07月27日
  • 「力のある学校」の探究

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    「効果のある学校」研究の発展形である「力のある学校」研究。
    私自身、今最も興味のある分野なので、
    ものすごく中身がアカデミックで読み終わるまでの時間を要したが、
    決して難解な内容ではなく、現場教員にとっては内容のわかりやすい本であると思う。

    私は「力のある学校」を実践することができる立場にあるので、
    何とかしてこの思いを実践へと換えていきたいと常々思っているが、
    なかなかに困難な壁にぶつかっているのが現状。
    でも、だからこそ、前向きにふんばっていけるのだろうなと思いながら、
    これからもしっかりと前を向いて闘っていきたいなと思う。

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    2011年06月01日
  • ペアレントクラシー 「親格差時代」の衝撃

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    教育の視点で、それぞれの家庭環境について学ぶことが多かった。
    またなんとなく理解していたが、これまでの教育に関する変遷をわかりやすくまとめてくれていたので、とても勉強になった。

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    2024年06月23日
  • ペアレントクラシー 「親格差時代」の衝撃

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    格差格差と言われる中身をペアレントクラシーという視点から切り取った一冊。

    アリストクラシー=貴族主義
    メリトクラシー=能力主義
    ペアレントクラシー=親の影響力の強い社会

    戦前の身分社会から比べれば生活も豊かになったのにもかかわらず、格差については逆行しているような、進化しているような印象を受けた。
    いうなれば「格差2.0」といったイメージ。

    今後も追っていきたいテーマだった。

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    2022年08月27日
  • ペアレントクラシー 「親格差時代」の衝撃

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    教育格差は親の経済格差からもたらされることが、周知され、「親ガチャ」という言葉も流行した。
    この親の影響力が極めて強い社会を「ペアレントクラシー」という。メリトクラシーの究極の形として立ち現れる「ペアレントクラシー」の不平等と差別を分析している。
    新自由主義的発想が「ペアレントクラシー」を作り、公教育がおざなりとなってしまった。卓越性より、公平性を重視しよう、卓越生も多様なものとしようというのご、本書の主張。

    維新のお膝元の大阪大学でこのような論を展開するのは、さぞかし苦労も多かろうと思うが、さすが、真っ当な研究者である。
    最後のまとめが、やや物足りないが、このような本が多く世に出ることが、

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    2022年08月09日
  • 学力格差を克服する

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    学力向上vs学力保障

    上の層を伸ばすのではなく下の層にいる子を平均値に近づける、それより上に行かせようとする。

    個人的には学力保障をしっかりと行うことが今の教育界には必要だと感じる。
    なぜなら、日本は人口減少する国家だからである。
    人口が減少することは自明の事実である。そうすると自然的に上の層の生徒も減ることになる。
    しかし、学力保障で下の層にいる子を少なくすれば人口が減ったとしても、確かな学力を持つ子どもの数を減らすのを妨げることができる。

    そのためには、筆者が本書で述べているように、能力主義と平等主義・統合主義・民主主義のバランスを回復したものに再構築し(現状は能力主義に重きを置きす

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    2022年03月25日
  • 福井県の学力・体力がトップクラスの秘密

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    福井県って何処にあるの?あまり知られていない県ですが一人仲の良い方がいます。その方にもっと聴いてみます。(関西TVの方です。)

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    2020年03月06日
  • 調査報告 「学力格差」の実態

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    研究論文の要約のような印象。ブックレットという体裁の割には決して読みやすくない(岩波ブックレットでは珍しくないが)。しかしそこで得られた知見は、今後の教育政策を考える上で示唆に富む。特に「学校の教育力」と「社会関係資本の構築」の関係についての実証的な研究結果については、もっと注目されるべき。「おわりに」の部分だけでも広く読まれるとよいと思う。

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    2018年05月18日
  • 調査報告 「学力格差」の実態

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    私が赴任している高校は、偏差値的には下のほうですが、本書で述べられているようなことを、「なんとなく」感じることができます。
    たとえば、生活習慣、学習習慣が乱れた生徒は、どんなにがんばっても、成績を向上させることが難しいということなど。

    本書では「男女格差」についても触れているのですが、わたしがこれまで見てきたクラスでも同様で、高い点数をたたき出す子は大体女子でした。普段から言われたことを自分なりに咀嚼して行動に移せるタイプの子が多く、学習も人任せではなく、自分なりに工夫している様子でした。「偏差値が低い学校では、学習習慣に由来するのかな」と思っていたのですが、全国的な傾向なのでしょうか。高校

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    2016年11月11日
  • 調査報告 「学力格差」の実態

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    学力格差は、家庭環境や男女差によって生まれることが大きい。それを解消するために、学習意欲や学習習慣を高める取組や授業改善に向けての継続的な努力が大切である。また、親の収入や学歴は変えられないが、子どもとニュースや勉強について話をするとか学校の行事に親が参加するといった社会関係資本は変えうることができる。学校として、保護者に働きかけることが大切である。

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    2015年05月02日
  • 福井県の学力・体力がトップクラスの秘密

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    秋田ばかりが注目されるなか、秋田よりも前から学テ上位をキープし、さらに体力テストでもトップクラスの福井県はすごい。
    福井県の学校の取り組みというよりは、その地域性や家庭の教育力によるところが大きいと思った。まさに見えない学力による部分である。

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    2014年11月04日
  • ペアレントクラシー 「親格差時代」の衝撃

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    ネタバレ

    「ペアレントクラシー」とは、子供の選択に「親が所有する種々の富」と「子供の教育・人生に寄せる願望」が決定的な影響を及ぼすことをいうそうだ。

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    2022年10月28日
  • 学力格差を克服する

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    ネタバレ

    30代男性
    小学生の子を持つ親として、教育には興味があり、コロナ渦でオンライン授業を強要された経験から教育格差が拡がると懸念していたので読みました。
    筆者のこれまで研究成果や著書を引用しながら、各種データを提示して、学力格差の現象と課題について、各国の事例も交えて解説している。
    家庭環境の差が学力格差を生じさせている点は、コロナ渦で家庭内に居る頻度や、オンライン授業用の設備を要する現状は格差を生じやすくなっていると思う。より一層気を引き締めて親として勉学に取り組ませて大きな根が育つようにしていきたい。

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    2020年09月13日
  • 福井県の学力・体力がトップクラスの秘密

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    まじめにコツコツと当たり前のようにやっている。部活もほとんど全員がしている。それを継続して実行することが他の都道府県では難しいのかも。秋田もそうだけど家庭学習ノートというのが特徴的なのかな。
    内容はそんなに濃くない。研究室の記念出版のような感じか。福井県を語るのに対照群との比較がないのが物足りなさかな。

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    2015年06月13日