毛利文彦のレビュー一覧
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誘拐犯は、お金を引き渡す現場で、実行犯逮捕される。
そういう意味では、金を奪うには、あまりにもリスクが多い。
お金を収奪するということでは、時代の変化によって、進化して行く。
警視庁捜査一課の特殊班が、誘拐班を専門に捜査している。
また、人質を監禁、生活維持するのも、一人の犯罪としては難しい。
電話機の逆探知能力の発達。
キャッシュカードにおいても、どこで引き出すかが可能に。
殺人犯捜査は、過去に向かって進んで行くが、
誘拐犯は、あくまでも現在から未来に向けて捜査していく。
立てこもり犯も特殊班が対応する。
銃器を使うかどうかが、重要な犯罪の質の変化が生まれた。
特殊班だけでなく、SWATが登 -
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この本を「お宝本」というのはちょっと変かもしれないが読み返しに値する素晴らしいノンフィクションだった。殺人という犯罪捜査を神経をすり減らして日々行っている人達から見たら不謹慎だとは思うが…もの凄く面白かった!!ヘタなミステリーを読むより(当然だが)臨場感があり、そして誇りとプライドを賭けて「殺人」という犯罪を捜査する刑事達の姿に触れることができた。中立の立場から淡々と実際の事件の経過を描写しながらの事件捜査の詳細なドキュメントは「靴をすりへらして」足で稼ぐ地道な捜査に日々励む警視庁の花形「捜査一課の殺人班刑事」達を浮き彫りにしてくれる。何より心をうたれたのが「殺人犯を取り調べる刑事」の章でのプ
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誘拐、人質立てこもりなどの凶悪事件担当の警察の中でも生え抜きの集団が「特殊班」これまで社会を震撼させた実際の誘拐事件やハイジャックにおいて、捜査にあたる刑事達はどのような緊張にさらされていたのか、事件や現場の状況が克明に描かれていてどれも夢中で読んでしまった。そして最も重要なキーワードが「指揮系統の連携」だということも。最近警察ミステリーでも良くとりあげられているが「良い指揮官」と「指示を忠実に実行する現場」というものが警察でも軍隊でも人質無事救出の為には絶対に不可欠だ。しかし刻一刻と変わっていく現場において、指揮が乱れて思わぬ初歩的ミスにより、悲劇的な結末となることは珍しくない。そしてその後
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面白い。
愛知県の立てこもり事件でSAT隊員が殉職されましたが、
そんな時期に読んでまさにタイムリー。
現在進行形で動く、立てこもりや誘拐に対応する
警視庁捜査一課特殊班。
しかし日本という歪んだ人権国家では、
銃を持ち込み女性を人質をとり、あまつさえその人質を
ナイフで切り刻みながら逃走手段と金銭を要求してくる
凶悪な犯人に対し、狙撃することも射殺することも許されない。
この事件は結局、人質は射殺され犯人も自殺、
警察にも重傷者を出すという凄惨な結末を迎える。
(八大産業社長宅立てこもり事件)
おそらく国民の大半が納得していないにも関わらず
加害者の人権が -
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もともと日本人の行動規範のなかには「誘拐だけはやってはいけない。」という不文律があった。それはいずれ誰もが人の親になる。子を思う親の気持ちをオモチャにして金をせしめる行為ほど恥ずべきものはない。という一定の倫理感が作用していたのだろう。と書いてある。幼児誘拐などは最低の人間がヤルことだと。元暴力団員服役者も口をそろえてそう言う。黒澤監督の一級品「天国と地獄」を思い出しました。あの誘拐事件発生の冒頭シーンです。観た事がない方。ぜひ一度ご覧ください。素晴らしい映画です。話がそれました。かといって戻る感じにもならないと思いますが。縦割り組織の苦悩がかなり事件に影響を及ぼすことに「踊る大走査線」の「事
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取調官の手法には様々在るが、被疑者のプライドを粉々に壊してから取り調べを行う取調官もいる。
聞き込みのポイントは、相手から好かれること。いきなり質問から入らない。
相手に話したいだけ話をさせてやること。
携帯電話の発信地等の開示は、任意捜査ではできない。令状を取り初めて開示される。
人の嘘は情より理で追求する。
人にさんざん気持ちよく話をさせた後にその嘘を突き詰め見抜いていく。
相手をぎりぎりまで追い込んだ上でちょっとした優しさを見せる。
様々な人間模様が書かれていたが、平塚八兵衛の取り調べは必読。相手を真実、被疑者と取調官の人芸関係により、自供させることができるのだ。