パトリック・デウィットのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ時は19世紀の米国西部。
兄弟の殺し屋が一人の山師の殺害を命じられてカリフォルニアに旅立つ。
その道中 兄弟の力関係、頭の良し悪し、残忍さや温かさが明らかになる。
例え殺し屋でも人間だれであれ
何かにすがって 何かを手掛かりに生きている。
それは自分の腕であったり、将来の希望であったり、人間関係であったり
異性への愛情であったりお金であったりする。
結構 内省的な 主人公(弟の方)の視線で語られる本書は
そういった 人生を変えてくれそうな何かに振り回される生きざまを描いている。
先の読めない展開なのに、次が読みたくなるプロット。
構成力も表現力もなかなかである。
日本の小説だと主人 -
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Posted by ブクログ
シスターズ・ブラザーズは、2人組みの殺し屋。
古き良きアメリカ西部開拓時代、ゴールドラッシュに揺れる新大陸で、馬にまたがり拳銃をぶっ放し、シスターズ・ブラザーズは今日もゆく。
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正直、読み始める前に思っていたのとはだいぶ違った。
もっとユーモアに溢れたドタバタ活劇かと思ってた。
開いてみたら、2人の殺し屋兄弟の、ロードムービー的なお話で、いわゆる日本の作劇上の起承転結や、アメリカハリウッド的なプロット物語でもなく、ただただ、あるがままを受け入れる、遙かなる旅路。
娯楽小説として読めば娯楽小説。
文学小説として読めば文学小説。
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Posted by ブクログ
献本でいただいた1冊となります。
いわゆる“泥酔文学”に分類されるとか。
“泥酔”というフレーズが示すとおり、
ひたすらに“ダメ人間”の集い、といった風です。
といっても、教訓臭いわけでもなく、
ある意味突き放した視点で描かれているのかな、と。
主人公はとあるバーのバーテンダー。
彼自身がイロイロとダメめ要素を持ってはいるのですが、
物語の冒頭はあくまで“観察者”としての立ち位置です。
彼の働くバーに来る客たちの“ダメ”ぷりといったら、、
微笑ましくもあり、あきれ果てるのもあり、様々です。
日々、困らせるようなことばかりですが、
どこか憎めない客ばかり、だからこそ“帰る”のでしょう -
Posted by ブクログ
おもしろいかというと…う~ん。
味がある、と答えるかな。
語り手がちょっとIQ低めな弟、っていうところが、話に深みをだしている。
バンバン人を撃っちゃうお兄さんに対しても、
他人であれば『荒くれ者で人でなし』になるが
兄弟だからそれを受け入れる許容が自然と出てくる。
それを語っても、血なま臭くならないのは、そんな弟が語っているからか。
善き人のように描かれている弟。
見返りをそれほど期待せずに女に金を与え、社会的弱者には少しの情けをかける。
だが、踏み込んだ人間関係は一切遮断。
だからこそ決して仲良しではないような兄弟の描かれ方だが、その絆が浮き出される。
見え透いた『絆がテーマの感動作 -
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Posted by ブクログ
あちこちで評判がよかったので勢いで読んでしまった一冊。殺し屋が主人公のロードストーリーでは、『ノーカントリー』(原作は未読)を連想した。あそこまでの重苦しさとカッコよさはないので、ノーカントリーのポップ版って感じかな。思ったほど人も殺されかなったし。
明確な起承転結は多分、ない。前半はストーリー自体が見当たらず、単なる作者の自己満足かしらと訝しむような退屈さ。一人称の語り口は軽妙で特徴的ではあるが、これといって響くものがない。右から左へスルーするだけで、イージーなBGMを聴いてるよう。
後半にやっとドラマが展開するけど、その着地点もなんだかなあ。うまく着地してるけど、位置はそこじゃないでし