山本昌邦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生のうちに一度経験するかどうかという、世界一を賭けたペナルティキックでプレッシャーを感じるのは当然なので、監督の私が厳しい表情をしてはいけない、という気持ちでいたら、「お前たち、すごいな」と感心して自然と笑顔になっていた。
我々スタッフ側が選手同士の関係を観察しているように、選手は我々スタッフがうまくいっているかどうかを見ているものなので、選手の面前では決してコーチを叱らないようにした。
特定の個人を褒めたり叱ったりすることで組織全体を引き締めるのではなく、周囲から上司の声を届ける間接評価を使いながら、個々への繊細なアプローチが必要である。
勇気を振り絞って監督である私のところへきたという小さな努力を、まずは大きく評価し、「キミのいいところはここだ」と、その選手のどこを評価をしているか話すことで安心感を与える。
人間関係は、どんな自分でも受け入れてくれる3割、受け入れる時もあればそうでないときもある4割、なかなか自分を認めてくれない3割、というように、「3・4・3(さしみ)」に分類される。
シュートが少なかった前半の戦いぶりには、他ならぬ選手自身が切歯扼腕しているとき、いきなり「シュートが少ないだろ」と言うよりは、「宝くじは買わなきゃ当たんねえだろう。シュートも打たなきゃ入らないよ」と最初に比喩を使い次に本質を突くような話し方のほうが有効である。
“失敗を恐れているような素振りを見せた部下に、私は『ワクワクしているか?』と聞きます。”
「ここでミスをしたらすぐに失点につながるぞ」とマイナスイメージを刷り込むのではなく、「ここが勝負どころだぞ」とポジティブな指標を与えるようにしている。
選手個人に「今何が行われているのか?何が求められているのか?」を考えさせながらやっていくと、ひたむきな姿勢が強まり、出した答は応用の利くものになるので、迷っている選手には「まずはやってみよう」と提案調に言ったり、「いちいち細かく説明しないとわからないのか?」と厳しい口調で迫ることもある。
目標を達成した時には主語を「キミたち」にすることで、彼らの功績を讃え、逆に目標に届かなかった時は「我々は」にすることで、上司も責任を共有していることを伝える。
“私自身、ワールドカップを優勝したことがある監督から、部下の10倍は勉強しなければならないと言われました。”
“組織を率いるうえで大切なのは、自分の部下を最大限輝かせて成功を収めることです。” -
Posted by ブクログ
ネタバレ【内容】個性豊かな女子選手たちをまとめあげ、チームをFIFA女子ワールドカップ世界一に導いた佐々木則夫氏と、アテネ五輪監督として“谷間の世代”を鍛え、現在はサッカー解説のほかビジネスマン向けの講演活動を行っている山本昌邦氏による、「本当に勝てる組織を作るリーダー論」が登場!「部下の自主性を養うには」「リーダーが口にすべき言葉」「組織の結束が乱れたら何から手を付けるべきか」など、ビジネスの現場ですぐに使える貴重なヒントが満載。ビジネスマン必須の一冊。 (「BOOK」データベースより)
【感想】なでしこジャパンの佐々木監督とアテネ五輪代表の山本監督の対談形式の一冊。組織マネジメントについて語っている。どちらも好きな監督なので、好感をもって読んだ。
前半のリーダー・組織のあり方や人材の育て方についての内容は、「重要なのは目標設定」「自主性を養う、責任を与える」「絆を深めるコミュニケーション」等割と一般的だが、サッカーの例を交えて紹介しており、読みやすい。
後半には感銘を受ける言葉が溢れている。「何度も繰り返すうちにできるようになる瞬間がある。その瞬間の喜びを、みんなが分かち合える組織でありたい。その時に、生まれながらに備えている才能ではなく、努力した姿勢を評価する。」(P148)「リーダーは心豊かなカーナビゲーション」(P162)「21世紀型のリーダーとは、1人1人の個性を尊重して輝かせ、それによって組織全体を輝かせる調整型のリーダー。自分の持っている知識、情報、経験等を円滑油として、部下を引っ張っていくタイプ」(P178)などなど。
最後に、山本監督の「あなたの大切な人が、あなたを誇りに思えるような人生を過ごそう。」この言葉はすごく心に響く。2人のサッカー監督としての日々の組織マネジメントの試行錯誤。そこから「いま」があるのだと感じられる。