大上雅史のレビュー一覧

  • 数学が解き明かした物理の法則

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    本書は、古典力学から量子力学に至るまでの内容を、それらを説明する主役としての数学的視点に立って、全体としては理系専攻の大学学部生に読みこなせるようなレベルで説明されている。ここで、全体としてと言ったのは、前半部分と後半部分で難易度に差があるからである。言うまでもないかもしれないが、近代科学黎明期として位置づけられる古典力学はガリレオガリレイ、ケプラーの時代からである。彼らの仕事は現代では高校生が学ぶ範疇の物理・数学でかなり理解が可能である。一方、最終章で取り上げられている量子力学は、誕生から今尚100年の経過を見ていない。一定の完成をみている古典力学よりも、さらに発展途上にある。この分野は大学

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    2009年11月22日
  • 数学が解き明かした物理の法則

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    ニュートンの『プリンキピア』まで遡って、ニュートン力学やケプラーの法則を見るのがこの本のひとつの目玉になっている。当時は天体の楕円軌道が重要な課題となっていたが、その説明には当時流率法という手法が用いられている。微分法による証明も書かれていたが、後になって分かった手法で問題を解くこととの違いがよくわかった。

    その他にも、変分法と解析力学、ガウス曲率/非ユークリッド幾何学や一般相対性理論、複素数と量子力学、という数学と物理学の幸福な関係が示される。微分積分とニュートン力学の関係ほどの蜜月ではないが、いずれも美しい関係だ。複素数と三角関数なんか久しぶりに見ても、なるほどってなる。量子力学との関係

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    2015年04月20日
  • 数学が解き明かした物理の法則

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    著者は東大卒で塾講師、大学講師の方々。初等的な数学でニュートン力学、相対性理論、量子力学まで解説する楽しい本。主に相対性理論のところを読みましたが、良かったです。一般相対性理論を、非ユークリッド幾何の話から初めとてもわかりやすく解説しています。ガウス曲率や、ガウス曲率が内在的であることを発見したガウスの驚異の定理の話もわかりやすく、微分幾何を学ぶ前にこうした本を読むと良いと思います。

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    2014年03月30日