村田吉弘のレビュー一覧

  • 京料理の福袋料亭「菊乃井」主人が語る料理人の胸の内 (小学館文庫)

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    柔らかい言葉で「胸の内」を包み隠さず語っている。料理はその土地で発展したものだから、京料理をありがたがるより、身近な料理を楽しんでほしい、と。うまいもんはうまい。味わいの本質は素直な感情にある。素直さが失われているのが、嘆かわしい。料理の価値は値段や産地や冠にはなくて、うまさにある、と。

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    2013年04月06日
  • 割合で覚える和の基本

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    和食での出汁と調味料の関係について基本的理解に資する。シンプルに考えてよいことと、こだわったほうがよいことの識別。料理酒不要論(使うならまともな日本酒を使うべし)。写真が美味しそうに撮れてる(原寸大?)。料理本は片手でめくれるサイズが希望だが、本書も大判な点が不満。

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    2012年10月20日
  • 京都人は変わらない

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    ラジオで著者の「日本料理を世界に発信しよう」という趣旨の言説を聞いて、興味を抱いたのでこの本を読んでみたが、京都人の保守性がよく分かり面白かった。

    身の丈に合った生活を好むのは、変革や進歩を求めない人間に見られる傾向である。

    この本から感じるのは、京都に生まれると、伝統を背負っているという勘違いからか妙な自負心が生まれるようである。

    興味深い社会ではある。

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    2012年02月10日
  • 京都人は変わらない

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    「菊乃井」の三代目であり、京都に住みはじめて十八代目にあたる生粋の京都人である筆者が語る京都と京都人の裏の裏。よそさんから「冷たい」「閉鎖的」「裏表がある」と思われ、常に「『お茶漬けでもどうどすか』と言われたら帰らなくてはならない」、「一見さんお断り」、「いけず」などのフレーズがつきまとう人と街。何がホントでウソなのか?何がオモテでウラなのか?京都人であると同時に、日本料理界有数の理論家で国際人である筆者が、ときに客観的に、ときに舌鋒鋭く、常に面白おかしく、変わらない京都の流儀を語る。

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    2011年02月27日
  • 京都人は変わらない

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    “僕は、料理の評論はすべてナンセンスだと思います。それこそ、なくなったほうが世のため人のためになるのではないでしょうか。
    料理というのは、非常に個人的な世界です。ある人が美味しいと思ったものを、ほかの人が美味しいと思うかどうか分からない。同じものを食べて、僕と隣にいる家内が美味しいねぇと言っても、美味しいと思っている部分は違うかもしれません。
    料理は芸術ではないと僕は思っています。なぜなら相対的な評価ができませんから。三百人がいっぺんに聞ける音楽。何万人もの人が同じものを見られる絵画というのは芸術です。相対評価ができますから。そやけど、料理というものは相対的な評価が難しい。そやからそれを評価す

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    2010年08月13日