櫻井孝昌のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
海外オタク文化は本家と似て非なるもの
よく指摘されているが、海外文化交流系のオタク文化本をいくつか書いている著者、オタク事情には詳しい有能なビジネスマンのようだが、オタクではないなと思う。
また、以下のオタクの負の側面も見事にオミットしている。
リア充対比、乖離(オタと原宿イケメンの属性は同一人物にまず宿らないw)、
突き詰めればば性的表現が男女ともにホットなキラーコンテンツであること(海外のイベントで未成年が立ち入れるエリアで販売したら逮捕ものだろう、欧米では炉は重罪では?)、
しかるにオタも腐女子も「忍ぶ」文化が根底にあるはずなのだが、著者の講演で「腐女子の人?」「はーい」と手を挙げる中国人のメンタリティーとは全く異なるものである。
そんな面倒臭い事情をこそげ落とし、外国人に分かりやすいパッケージ(こちらでは考えられない組合せ)で、商売にしようとしている。
このオタクゴロとでもいう方々には頑張ってもらって、日本のコンテンツ業界、観光業界のGDPを増大させるために貢献して頂きたいものである。
ああ、本書の例文ではいくつか笑えるものもあった。
「次のコミックシティでは私のスペースにきてください」
→シティに来る外国人女子は上級者かも
「少年同士の愛って、純粋だと思うの」
→とかいって男子人気キャラ同士がごりごりしている同人誌を買うのが我が国の腐女子
(本書ではこういうところがオミットされている) -
Posted by ブクログ
外務省アニメ文化外交にかんする有識者会議の委員として、世界各地で日本のマンガ・アニメの講演をおこなってきた著者が、世界で日本のマンガ・アニメが熱狂的に受け入れられている現状をレポートするとともに、これからの「アニメ文化外交」の課題を論じている本です。
おもしろく思った点と、すこし疑問を感じた点がひとつずつあります。まず、おもしろいと思ったのは、アニメを通して日本に強い関心をもった世界の人びとが、「官」の人たちの心を動かしているということです。日本のサブカルチャーに「官」がかかわることを批判する論者もいて、たとえばマンガの原作者であり「左翼」の立場を堅持する大塚英志は「国策としてのマンガ・アニメ」に明確に反対の立場をとっていますし、マンガ家の江川達也もそれに近い発言をしていた記憶があります。もうすこしアカデミズム寄りのサブカルチャー批評家たちも、「クール・ジャパン」の掛け声には冷めた視線で見ている印象があります。しかし、本書で紹介されている著者の情熱的な外交努力や、巻末で著者と対談している外交官の山田彰のことばを読んで、アニメ文化外交を進めていくのも、けっきょくは「官」のなかの「人」なのだということに気づかされたように思います。やや強引な議論だという気もするのですが、著者のように情熱的な「人」でなければ、アニメ文化外交の努力も海外のファンを動かすことはないのだろうとも思います。
一方、少し疑問に思ったのは、マンガやアニメに代表されるサブカルチャーにどれほどの伸び代がのこされているのかという点です。著者は「ここ数年、アニメのDVD海外市場は縮小傾向にあるが、その最大の原因が違法ダウンロードにある」と述べていますが、それだけではないでしょう。日本の優位はそう簡単には揺るがないという意見もありますが、海外のクリエイターがそだってくれば、ますますかぎられた大きさのパイをうばいあうことになるのではないかという気もします。 -
Posted by ブクログ
日本のサブカル用語の英訳と、例文集が掲載されている。掲載用語数が50件というのが、少し寂しい気もするが、それなりに役立ちそう。本書によると、
やおい → yaoi
痛車 → itasha
同人誌 → doujinshi
らしい。これ、本当に通じるのだろうか??ちなみに、本書には載っていないが、
進撃の巨人 → Attack on Titan
銀河英雄伝説 → Legend of the Galactic Heroes
あたりも私にとっては重要な用語。(銀英伝のコスプレも、いずれやりたいと思っているので)
それから、ネイティブに聞いてみたところ、ワンカラ(または、ヒトカラ=ひとりカラオケ)は"single karaoke"でいいみたい。ただ、アニソンは"anison"ではダメで、ちゃんと"anime songs"と言わなきゃいけないのね…。"anison"でも(その手の人なら)通じそうな気がするけど。
それから、声優デビュー前(2009年当時)の上坂すみれのインタビューが載っている。これは貴重!! -
Posted by ブクログ
今や世界中に存在する日本アニメのファンたち。日本アニメの現状と、その可能性を、外交官としての視点から語る。
授業のレポートを書くために読んだ本、その1。
前半は、日本のアニメがいかに世界中のファンをとりこにしているか、いかに世界の多くの人々が日本アニメが好きか、ということが著者の経験から延々と繰り返され、正直「うーん、これはまるで身内自慢を聞いているみたいだなぁ」と思った。
しかし、後半になってやっと、前半部分の著者の体験話が生きてくることとなる。
アニメが本当に「外交」として、国境を越える手段となりうるのか。この問題を論ずるにあたって、ただ「日本のアニメはすごいんですよ」と文化人ぶって言われただけなら、「ふーん、そうなんだ」としか思わなかっただろう。
しかし、この著者はなんというか、人間の性善説を信じているようなところがあるんですね。それが文章にも出ていて、「アニメがこんなに海外で愛されているなんてすごいなぁ」「こんなに日本のアニメが世界中で愛されているなんて嬉しいなぁ」という、前半で繰り返される純粋な喜びが、後半で妙な説得力を持ってくるのである。
アニメを持ってして、「世界平和への貢献を期待したい」なんて、ただの知識人やアニメファンが言ったならば、「まぁ気持ちはわかるけど」と思いつつ、偏屈な私は少ししらけてしまったかもしれない。しかし、この著者が前半で繰り返す彼自身の「世界で日本のアニメが観られている喜び」を読んできてこの言葉を聞くと、「そっかぁ」と素直に受け取ってしまうのだから、不思議なものだ。
経験に勝る説得力はない、ってことなのかもしれない。
「外交」としてのアニメは、後半の100ページ超でまとめられているだけなので、題名から予想されるだけの内容の深さは期待できないが、著者の文章が明るいので読みやすくとっつきやすい一冊。
日本アニメの国際的な立場での文化的貢献の役割も、希望を持って読めるという意味では、なかなかおすすめの本でもあった。 -
Posted by ブクログ
以下に備忘のため、要約。この前読んだ、中国動漫新人類と共通するところ多数。
■世界の若者は、私たちの想像以上に日本のアニメを好きで、日本に興味を持っている。それは、ゴッホが浮世絵から影響を受けたように。日本のアニメは、子ども向けでないのが、受けている。
■これを外交に生かすべき。外交に使い、日本のプレゼンスを向上するためには、官学企業、そして私たちの戦略が必要。
■官学企業、市民のやること
官は、もっとアニメを日本文化として認識すべき。職員に対するアニメリテラシを教育すべし。能や歌舞伎などの伝統芸能だけが、文化外交ではない。
学は、海外にアニメのクリエイターやノウハウを輸出し、日本のメソッドを広めるべき。
アニメ産業は、対価性を顧客に認識させるため、製品の品質を落とさないこと。また、海外に技術を広める傍ら、海賊版しか入手出来ない国には、正規本の輸出を検討するべき。
私たちは、海外の友人に向けて、アニメの素晴らしさを広めよう。日本のアニメの持つ平和へのメッセージは、きっと全世界の人々に受け入れられるのだから。 -
Posted by ブクログ
そこまで深いことは書いてないように思うけど、内容としては好感の持てるというか…希望を持って読めるしとても読みやすい本でした。
オタクでもあるし日本語学、日本語教育学をやっている身としてはポップカルチャーを日本語教育に結び付ける日本語教育の専門家の本とかないかなー読みたいなーと思う。
きわどさとか、馬鹿らしさとか、品の悪さとかを楽しむものだってあるから全部いっしょくたにして使っていこう、とは言いたくない。でもアニメーションとか漫画って分野で使えるものってたくさんあるはず。日本は自虐的にならず、極端にならず、いいものを誇って伝えるっていう思考を持たなきゃなんじゃないかなー。 -
Posted by ブクログ
原宿ファッション、ロリータファッションがいかに世界で愛されているかを紹介し、それを販売戦略にすべきだとも述べる本。
黒髪が羨ましい、日本人の鼻になりたい、というのに軽くおどろく。
多かれ少なかれ、日本人女性はフランス人女性にコンプレックスがあると思う。美の基準がそもそも違うのだし。雑誌だって、いかに「外人顔」になるかに注力しているようなものもある。それだけに、日本基盤のファッションが注目されるというのは嬉しい。
個人的にはいわゆる制服ファッションも原宿系ファッションも身につけたことはないが。
当時好きだった下妻物語がカミカゼガールというタイトルで愛されているとは知らなかった。