山崎幹夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
有機化学を少しでもさわった人なら楽しめるのではないでしょうか〜 話の入りは昔の文豪と薬とのエピソード(ex.胃潰瘍の夏目漱石とタカジアスターゼ)で、そこからその薬の誕生秘話について語られます。ちゃんと効くメカニズムも科学的に解説されています。文字で説明するとちょっと分かりにくい部分もありますが、「一般の人にも興味を持ってもらおう」とする筆者の意欲の現われでしょう。序説の「なぜ一昔前に薬万能説が生まれ、そこから薬不信が世界を覆うようになったのか」という考察にはなるほど、と思わされました。別に化学を習ったことのない人でも、途中のメカニズムなどの話を読み飛ばしてでも読む価値はあると思います。
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Posted by ブクログ
毒の話を読みながら、毒は深く医学に結びついていることを理解した。
植物学と医学は切っても切れない状況だった。
植物に対する理解が、薬師となり、医者の役割を果たしていた古代、
医者に必要なのは、薬だった。
自分で薬草園をつくり調合していた。
それが薬学として、発展し、ケミカルの時代を迎えた。
毒は、死とも結びついていた。
王様および権力者は、つねに毒殺の危険にさらされていた。
この本を読みながら、
マルコポーロの「東方見聞録」をきちんと読みたいと思った。
ここで何が伝わったのか?
また、コロンブスが、新世界から、何を植物として伝えたのか?
コロンブスの伝えたものは、
タバコ、トウモロコシ、サ -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
近代医薬品の開発には、長い年月と莫大な経費、そして数知れぬ研究者たちの労苦の積み重ねが必要とされる。
その結実は、人類をさまざまな病苦から解放すると同時に“新しい”薬への過信の入り混じった、いわば薬の氾濫の時代を生み出してしまった。
本書は、ペニシリン、モルヒネ、ビタミンB、インスリン、タカジアスターゼなどの身近な薬品開発のドラマと、効能や副作用のメカニズムを多彩なエピソードを混じえて語り警告する。
[ 目次 ]
「薬の神話」について―まえがきにかえる薬へのコメント
『吾輩は猫である』が書かれた理由 抗潰よう薬
秘方一粒金丹 モルヒネ
「B足らん」の時代 ビタミンB1
薄明のな