塚本青史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
授業中、漢文で「臥薪嘗胆」を教えた時、この本の一番最初に紹介されている英傑は、偶然「伍子胥」だったので、迷わず買った。
高校時代に日本史をやっていても、時代背景とか、小噺・裏話とか、そういうった文学的要素がないとなかなか頭に入ってこなくて、その上、飽きっぽい性格なので、長編の歴史小説などを根気よく読めるかも不安・・・
ということで、時代・人物ごとに、小噺が紹介されているこの本は非常に便利。
私の場合、読むというよりは、授業教材に登場した際に辞書のように使っています。
一人一人が約4ページずつ紹介されており、ちょっとした暇つぶしには持ってこいです。 -
Posted by ブクログ
始皇帝を主人公にした、500ページにわたる長編小説。
小説というから、フィクションも多数含まれていると思うが、始皇帝を暴君のイメージ通りに描いている。
キングダムの嬴政とはほど遠い。
でも、多分こちらの嬴政の方が実像に近いのだろうと思う。
むしろ、人の痛みを分からないサイコパスの様な人格でないと、中華では人の上に立ち続けることはできない。
この本では、嬴政が極悪人に描かれ、嬴政以外の人物、成蟜、母、呂不韋などは、むしろ嬴政に翻弄されている。
裏切り、謀反、焚書に、虐殺と、本書での始皇帝は凄まじい。
そして、中華統一後の嬴政は、国造りよりも、不老不死の薬を求めることに躍起になり、それがむしろ -
Posted by ブクログ
劉邦亡き後の漢~高祖・劉邦が亡くなると呂后は盈の即位を許したが,寵愛を恣にしていた戚妃の手足を切り,舌先を切り落として,目と耳を潰して肥溜めに落としたが,盈は酒に溺れて政を顧みず子作りもままならない。織女が産んだ恭が即位したが,盈の子であるかは怪しい。劉邦の孫である斉の章は長安で出世し,呂氏には珍しい美女を娶ったが,呂后が亡くなると,反呂陣営の先頭となって,劉の天下を取り戻した。しかし,兄は皇帝とならず,代王の恒が即位し,仁政を施すが経済は復興しない。章の妻・呂氏は呂一族の恨みを晴らすため,淮南王に接近し,夫を暗殺する。皇位を狙う長は北方民族討伐と見せて長安に攻め込もうとするが,計画は頓挫し,