金川千尋のレビュー一覧
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危機にこそ、経営者は戦わなければならない!
言い訳をしない実践経営学
著:金川 千尋
紙版
優れた経営者のメッセージは、とってもわかりやすいと思います
印象に残った言葉は、「疾風に勁草を知る」です。
激しい風が吹いているときにこそ、強い草が見分けられるという意味で艱難にあってこそ、節操の堅さ、意思の強さがわかると言うたとえです。
気になったのは、以下です。
・企業がたとえどれほどの好調期にあっても、突然、危機はやってきます。
・絶頂期にあっても、経営者はそのことを忘れず常に備え、襲いかかってくる危機に対し果敢に立ち向かわねばなりません。
・現状を過小にも過大にも評価しないで、今いかなる -
Posted by ブクログ
■ビジネスマインド
1.未来は自分の予測よりも悪くなる、という前提で計画を立てるべきである。また、前提が変われば結論が変わるのは当たり前なので、「朝令暮改」は当然のことである。
2.経営者は、「100年に一度」といわれるような経済危機に際しても、何としても黒字にするという執念がなければならない。
3.経営者は、仮に市場が熱狂の中にあっても、冷静に判断し、先の事に対して常に備えるべきである。
4.大切なのは労働の量ではなく質である。どれほど必死に働いても、結果が出なければ何もならない。一生懸命やることより勝つ事が肝心だ。それには、あくせく働くよりも頭を使う事である。 -
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信越化学工業会長金川千尋氏の社長時代の13期連続最高益。社長時代に実践してきた経営手法や考え。
オールドビジネスとニュービジネスの事業構成バランス。
まず、自分の仕事である目先の事を全力でやる。
経営責任者(部門責任者)は個々の商品について細かく市況をみて、具体的な判断をする→抽象論を言っても経営は出来ない。
危機でも利益を出す。企業はあくまで営利を目的とした組織。 → 競争力に勝つ!
どんな厳しい時代でも利益を出し、出来る限り長く続ける。
企業経営の目的は株主に報いること。「従業員は使用人」従業員のために企業がある・・×。ただし株主に報いるには従業員のやる気が
必要であり、そうした意味で、従 -
Posted by ブクログ
信越化学工業と言えば、コンフューザーという果樹用のフェロモン剤と思ってしまうのですが、実は塩ビから、シリコンウェハーや、そして肥料なども手がける、原料メーカーであったのです。
そこの会長が2000年代初頭に記した本を、再度東日本大震災後に、そのときの経験を追記したものが、今回の出版になります。
その中でも多くを費やしているのが、アメリカでの子会社、シンテック。塩ビメーカーであり、金井さんが長らく経営を行っていた会社であり、その期間内に有利子負債を無くし、売上高を10倍まで引き上げ、さらに利益を出し続けている会社の説明が多くありました。
必要なところに投資する、不要なものにはお金を -
Posted by ブクログ
グローバル化が進展した経済において、日本企業の進むべき方向性についての論点が豊富に盛り込まれた書。
自らの問題意識と重なり、特に印象深い点が3点。
1点目は、日本企業の特性に、株主価値の向上ではなく社会の『共通善』に向かって成長を志向すること、それを21世紀のニューモデルとして競争力の源泉になりうることを指摘した点。リーマンショック以降、自己利益偏重の経営の限界が露呈する中で、会社を社会的存在と捉え自己利益と共通善のバランスをとりながら発展してきた日本企業を再評価している。失われた20年の原因はグローバリゼーションに翻弄され欧米的な価値観を盲目的に導入した結果だと痛烈に批判する。合理性や効率性