安曇潤平のレビュー一覧
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山歩きの楽しみが増える
なんと生き生きと道中を描く作家さんだろう。登ったことのある山もない山もありありと稜線が見えてくるようです。
そこにふと訪れる怪異はとてもリアルで…私の憧れだったソロキャンプはこの先永遠に中止です。もし夜中に思い出してしまったら。
さほど怖いタタリや原因などないのですが、もし1人で山道で出会ったら、直感的に逃げ出したくなるような現実味があります。 -
購入済み
登山の楽しみが増えます
登山も怖い話も大好きですが、本書はそのどちらにおいても優れた良書だと思います。山怪も面白かったのですが、登山者目線の山歩きの楽しさや厳しさがリアルに描かれた安曇先生の作品が好きです。
また怪現象でありながら、亡くなった方や山の不思議なものへの敬意が感じられ、ついひきこまれます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本当にあった山の怖い話を集めたもの。
作者が体験したものやら、山仲間から聞き取ったものまでとにかくたくさん。続編も数冊あるらしい。読み放題じゃん!
怖い話なんだけど、私は登山の経験がないので、やっぱり別世界の物語を読んでいるような感覚になる。山登りする人にとってはとても怖い、かもしれない。
どこかで聞いたことがあるんだけど、山の怪談って桁違いに怖いらしい。怖さに単位はないので、桁違いって表現が正しいのかは知らない。
ここで1つ選択を間違うと死んでしまってたな、ってエピソードが多すぎて、本当に山を登るってすなわち死にに行くようなものなのでは?って身震いする。なんでこんな恐ろしい思い(霊的にも、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ目次のところに簡単な日本アルプスの地図が載ったが「これはいらないのでは?」と思った。イニシャルでぼかしている話もあるし、載っていない山もある。
個人的にはミステリーではないのだから位置関係や距離感はぼんやりしている方がいいのではないかと思う。分かる人はイニシャルだけでもすぐに気付くし、イメージが湧かない人には実名と詳細な地図でも実像は伝わらない。
中身の話は相変わらず面白い。
しんみりくる話もあるが、前作よりややホラー寄りになったのではないかと思った。前作は心がほんわかする話がもっとあった気がするが、今作は連れて行かれる(引っ張られる)怖さのある話が増えたように感じた。中立(=不思議なだけ) -
Posted by ブクログ
ネタバレなかなか良いホラー短編集。
市街地や田舎とは雰囲気の異なる、山・登山独特の異界感や孤独が合わさってじわじわ怖い話が多いが、優しい気持ちになるものもある。ホラーというより山の伝説という方があっているかも。
話の最後にはある程度の種明かしのようなものが付いているので、理不尽すぎる(=意味が分からなさすぎる)話はない印象。はっきり言って作者の後書きが一番怖い。
風景の描写が上手く、話の所々に出てくる実在の山小屋や目印、天候・気候、登山の際の心理も相まって山を登っている感じが味わえる。
特に導入部では怪談の本体には影響しない細かな記述がなされていることが多いが、怪談に現実感や具体性を与えるフレーバー