渡邊十絲子のレビュー一覧

  • 今を生きるための現代詩

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    現代詩と言えば難解ないイメージがあり、実際解ろうとしてもわからない、そんな作品が多い。
    しかし本著で著者はそれを良しとし、わからないことを肯定する。

    もちろん感覚的にただそれでよい、と無条件に称賛するだけでなく、そのわからない、という感覚事態をどのように捉えるかも詩の魅力であると説く。
    喩えとして、抽象画や現代音楽などがそうだ。難解であると切り捨てたりある種の正解・鋳型に当て嵌めるのではなく、そのものを受け入れることで読者としても新しい地表を拓けるのではないかという提案がなされる。
    読後そのように考えると、これまで目に入らず「よくわからなかった」現代詩というものに対する興味がわいたきた。

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    2017年10月28日
  • 今を生きるための現代詩

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    詩に対する堅苦しい意識から自由にしてくれる。現代詩には、理解できない余白、説明できない余白があり、それが閉ざされた自分を開いてくれればそれでいい。詩の内容は、書いた詩人にもわからなくなる変わりゆくもの▼教科書は、詩を作者の感動や思想を伝達する媒体としか見ていないようだ。▼詩はただ純粋な言葉である。日常の秩序をゆさぶり、私たちの意識に未体験の局面をもたらす、そのような作用をすれば十分だ。人間社会の秩序から見れば意味や価値のないことを考えたり、ヒトとは違うことをしたりするのは、じつはみんなが思っているよりずっとずっと大事なことだ。詩は謎の種、長い間心の中にしまって発芽を待つ。現代絵画のようなもの。

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    2017年04月05日
  • 今を生きるための現代詩

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    新書らしくないと感じたというか、エッセイみたいに読んだ。面白かったが詩の読み方なるもののヒントはあまり得られず、やっぱり詩というものは恣意的に読めばいいのだなという感想に至った。
    外側から(川田絢音)や山犬記(井坂洋子)が好きだった。

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    2025年11月20日
  • 今を生きるための現代詩

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    現代詩を、あらすじなどを解釈せずに、難解なまま出会って、より高次元の感覚に触れようとする解説書

    自分に刺さる詩はなかったが、言葉の性質や詩の表現方法やについては興味深いものはあった。

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    2025年09月02日
  • 今を生きるための現代詩

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    詩の楽しみ方、面白さを教えてくれる本だった。
    そして、詩は難しそうだと思っている人も多いかもしれないが、書いている本人さえ、詩が自分を超えてしまい、完全に理解しているわけではないんだと、だから、「知らない」「わからない」ことを楽しもうと、投げかけてくれた。
    私が大切にしている、「ネガティヴ•ケイパビリティ」に通ずる考え方だ。
    わかってしまうとつまらない、何度でもくりかえし読むことができ、読むたびに新たな発見がある。それこそが、本当に価値のある作品なのだ。

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    2024年02月03日
  • 今を生きるための現代詩

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    ネタバレ

    詩人が詩を書き推敲する中で見つける美しいフレーズは、数学者が難問に取り組む中見つける非常にシンプルで美しい数式のようなものとい説明が腑に落ちて印象に残っている。

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    2023年12月01日
  • 今を生きるための現代詩

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    現代詩と和解する。
    「解説」を目指さずに、現代詩と触れ合う場に誘ってくれる。

    「わからなさ」を受け止め、向き合い、未来と響き合うことを期待する。

    ◯「実感の表現」とは事実上の「再現」であって、表現の根拠を過去に置いている。
    ◯それに対して、自らの表現が未来と響き合うことを期待している。

    ◯一般に人は、実力が足りないときには、対照を否定することしかできない。

    ◯詩は、「伝えたい内容があらかじめあってそれを表現する」ものではなく、「表現がさきにあって、結果的になにごとかが伝わる可能性を未来にむけて確保している」

    ◯なぜ、この詩がここで書かれたかを問うことも、この詩を書くことによって詩人が

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    2023年11月05日
  • 今を生きるための現代詩

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    ネタバレ

    p30
    生きる 谷川俊太郎

    詩に親しんでいない多くの人にとっては「自分が既に知っている感覚の再現」をしてくれるものだけが詩なのかもしれない

    しかし詩というものの中には、こうした「実感の再現」とはまったく性質の違うことばで書かれたものもある。そして私がひかれたのはそちら側の詩、つまり「実感の再現」などとはほとんど無関係の詩なのだった。

    沈黙の部屋 谷川俊太郎

    p198
    詩とは結局のところなんだろう。詩はこれだと一言で言う事は難しい。詩は「世界の手ざわり」の一つ。私がまだ知っていない「わたしの感じ方」を作るきっかけになっている。

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    2022年02月19日
  • 今を生きるための現代詩

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    決して詩の初心者向けではありませんが、詩の奥深さは、なんとなくわかる本でした。結局、詩って、難しいなぁと思いました。

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    2022年01月04日
  • 今を生きるための現代詩

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     谷川俊太郎の「六十二のソネット」の目次が「きわめて前衛的な詩」として著者の目にうつるのは、本文中に書かれているとおり詩人の「ことばのトーン」が「すみずみまで注意深く統一されて」いるからで、でたらめでよいということではたぶんない。
     私は「詩を書く」ということをあきらめきれていないのか、読み手としては「わからないけどかっこいい」で満足なのですが、どうしてもその言葉の取捨選択の基準をわかりたくなってしまいます。
     だから読み手としては勇気づけられたのと同時に、「詩を書く」ことについてはやはり私には難しい、という軽い失望も感じてしまいました。抽象画にたとえて詩を解説しているくだりもあったけれど、訓

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    2021年02月19日