ストーリー形式でイラストが多く2時間程度で読めるので、ベイズ統計とは何ぞやという人やベイズの定理に挫折してしまった人にオススメです。私は後者の人間で、公式は覚えているものの理解が追いついていないという状態でした。以下に良かった点、難しそうな点を挙げるので参考までに。
良かった点:
1.殺人事件の犯
...続きを読む人を探すという、想像しやすいストーリーを用いて、順を追って説明している
2. ほぼ全編を通して「より簡単な例でベイズ統計を考える」→「殺人事件に置き換えて考える」という形で進んでおり、段階を踏んで説明してくれる
3.ベイズの定理(やオッズ比)について、違いがある時とない時について、計算や思考の過程を丁寧に説明している
難しそうな点:
1.SPSSの出力結果をそのまま載せている(解説もあるし、理解しなくても大丈夫ではありますが、初心者は面食らってしまうかも)
2.回帰、重回帰、ロジスティック回帰分析、ニューラルネットワークに触れている(同上)
3.確率の話が多い(ベイズの定理なので当たり前ではあります)
繰り返しになりますが、入門書として読みやすく、重要なところはとても丁寧に説明してくれています。しかしあくまで「ベイズ統計」の入門であって「統計」の入門ではない点にご注意を。ある程度統計学(と確率)について理解があり、「ベイズ統計」という名前だけ知っているという方や難しくて挫折している方におすすめしたい1冊です。