竹谷仁宏のレビュー一覧
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江波戸哲夫著、竹谷仁宏著「ドルがなくなる日」主婦の友新書(2011)
*オーストリアは7月23日セルビアに最後通告をつきつけ、オーストラリア&ハンガリー帝国と切ビアのそれぞれの後ろ盾である、ドイツとロシアとの間に緊張関係が生じた。ロシアと協商関係を結ぶフランスとイギリスは7月末から8月はじめにかけて国家総動員令をだして臨戦態勢にはいる。これが、ドルが国際通貨になった日の訪れである。気づけば金本位制を維持したのはアメリカとイギリスだけであった。第一次世界大戦を通じて、国際通貨の条件をドルが満たすようになっていた。第一次世界大戦後にポンドに代わって国際通貨としての役割を果たし始めたドルである。その -
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ネタバレ基軸通貨としてのドルを、ポンドの凋落にまで遡りこれまでの経過を冷徹に分析し、基軸通貨の未来を占う。双子の赤字を膨らませ衰退し続けるドル。中国とアメリカの切るにきれない相互補完関係。中国の一見過剰とも思われる投資を遥かに凌駕する貯蓄率。覇権を争おうとする通貨もなく、いまだ基軸通貨としての地位を保ち続けてきているドルの不思議を様々な視点から演繹。アジア、ロシアの通貨危機。アイスランド、ギリシャの国家的危機の歴史と背景にも触れられており多岐にわたる学びがあった。終章以外はしびれるような興奮があった。終章は蛇足なばかりか本書全体の格調さえ貶める拙劣な三文小説。本文が良かっただけにまことに残念。不自然す
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基軸通貨について知りたくて読書。
ドルで資産運用している人間としては大きな関心事。
一国の通過だったドルが第一世界大戦を経て国際的な基軸通貨へと駆け上るまでの歴史と現状、そして未来を推理した小説で構成。
100年での変化だと考えると今後、基軸通貨が変わっても不思議はない。しかし、100年前と異なる点は、大国と大国による武力戦争が起こる確率が大きく減っていることがある。2度の大きな世界大戦によって超大国となったアメリカのような国に、その国家を消し去るような戦争なしでロシア、中国がなりえる可能性は低いのではないかと思う。
「ドルに変わる基軸通貨は?」の結論もやや消化不良。全般的に経済書より