江川晴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
年代によって感想が大きく変わる物語なのだと思う。
人生を終わりを身近に感じ、日々大切に過ごしている人たち。
未来は無限にあると、漠然とだけれど思っている人たち。
物語を現実的に捉えるか、物語としてしか感じることができないか。
正直に言ってしまえば、現実味のある身近な物語としては読むことができなかった。
けれど、医療現場の実情や当事者になったときの不安や辛さはストレートに伝わってきて息苦しいほどだった。
親身になって相談に乗ってくれる医療関係者。
江川さんに医療知識があるからだけではない、対人間のあたたかさがそこには見てとれた。
だからかもしれない。
一番強く印象に残ったのは救急隊員とあとがきに -
Posted by ブクログ
誰だっていつかは年を取り老人と呼ばれるときがくる。
でも、実際にそのときが来ないと実感はわかないし理解することは難しいと思う。
物語の中に認知症かどうかの判断を下すための検査の場面がある。
記憶することが苦手な人は間違えたらそこで認知症と判定されてしまうのだろうか?
こんな簡単な質問で決めてしまうのか?と不思議だった。
騙されて病院に入れられたマキは最初は腹を立てていたが、徐々に状況に慣れていく。
老人に限らず突然まったく違う環境に放り込まれたら、気持ちが動揺するのは当たり前のことだと思う。
歯磨きと洗顔石鹸を間違えたマキを看護師は笑う。
けれど、状況がしっかりと把握できるまでは軽いパニックに