藤倉良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ環境問題を必要以上に警戒する風潮と、必要以上に「そんなの関係ねぇ!」とのたまうトンデモ本の両者に向けて、誠実な学者が客観的な事実と数字を踏まえて冷静に論じている。良書である。
アスベストなどでは今でも亡くなる人がいるが、基本的にはこの国ではほとんど「環境」が原因で亡くなることはなくなったと言ってもいい。四大公害が発生した頃、この国では「環境」が原因で亡くなる人が大勢いた。亡くならないにしても障害が残ったり疾病を患ったりした人をいれると相当の人数だっただろう。
しかし、もはやこの国では、そんなことは無いですよと冷静に書いてある。「水がまずくて死にますか?」「死ぬほどひどい水が水道から出てきます -
Posted by ブクログ
キャッチーなタイトルながら、キャッチーな話題に振り回されるなという本
文字量も情報量も多くて読むのがしんどかった。
大事な内容だし、簡単にいうと、人類が直面する問題は温暖化だけではないし、今なされている温暖化対策も、必ずしも効果的でない事案が数多く紹介されている。
温暖化対策を単に否定しているわけではなく、包括的に、冷静に判断するのが大事ということで、とても素晴らしい内容である。
のだが、
とにかく読みにくい。情報量が多いのはいいことかもしれないが、いかんせん量が多すぎるし、ストーリー性に乏しく、脈絡なく羅列されている印象で、疲れる。
本を読むのが得意な方にはおすすめ。 -
Posted by ブクログ
環境科学・環境政策の研究者である著者による一冊。
環境ホルモンや発ガン性物質等、「無条件に悪い」「完全に遠ざけるべし」と一般に思われがちな環境問題を、環境科学の視点から捉えなおす。
よくある懐疑本のような主張の極端さはない。それぞれの話題では著者の立場が示されるものの、断定的な表現はなく、根拠となるデータから丁寧に解説が行われている。その上で、科学の不確実性、予防原則、費用対効果等の考え方への解説があり、環境問題に対する態度の取り方を考えさせてくれる。
環境問題の定説や俗説への反論本、というよりはむしろ、科学を実社会に適用する上での考え方を理解する上で良い入門書だと思う。 -
Posted by ブクログ
リサイクルはエコか?CO2は温暖化の原因か?生物多様性はなぜ守らなければならないか?これらの問題については、とかく根拠が実は曖昧なあるべき論が先行したり、異文化による価値観の違いがベースになっていることも多いように感じられます。
本書はこれらの問題に科学者としての観点から、第3者的な見解を示そうとしています。結論としては、環境、エコに関する科学的根拠はまだよくわからない、ということのようです。最終的に筆者の意見は、現状取り組まれている活動を継続する、ということに傾き勝ちのように思われました。
ただ、国際社会全体がなんとなく今までのままではやっていけない、何か変えていかなければという危機感を持っ