環境問題を必要以上に警戒する風潮と、必要以上に「そんなの関係ねぇ!」とのたまうトンデモ本の両者に向けて、誠実な学者が客観的な事実と数字を踏まえて冷静に論じている。良書である。
アスベストなどでは今でも亡くなる人がいるが、基本的にはこの国ではほとんど「環境」が原因で亡くなることはなくなったと言ってもい
...続きを読むい。四大公害が発生した頃、この国では「環境」が原因で亡くなる人が大勢いた。亡くならないにしても障害が残ったり疾病を患ったりした人をいれると相当の人数だっただろう。
しかし、もはやこの国では、そんなことは無いですよと冷静に書いてある。「水がまずくて死にますか?」「死ぬほどひどい水が水道から出てきますか?世界にはそういう国もあるのですよ」と書いてある。なるほど。
環境問題とは直接関係ないけど、興味深いのは、リスクに関する記述。2007年、交通事故で24時間以内に死亡した人数はだいたい8000人。驚いたのは浴場もしくは脱衣所で亡くなった人の数が1万4000人ということ。交通事故で死ぬ人の数より風呂場で死ぬ人の方が多いなんて本当に驚いた。