尾白未果のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
災獣たちの楽土シリーズ第三巻。
今回の舞台は、律花と芳巻で、災獣はそれぞれ凍狐と風鳥。
主人公の律花の末姫は、美人揃いの姉妹の中で唯一平凡な顔立ちで、しかも、工芸品を作るのが好きなため、変わり者とみなされ王宮の中で孤独を感じながら過ごしていた。
そんな末姫が、芳巻のお妃候補に選ばれたことから、物語は動き出す。
一、二巻に登場した主要な人々も再登場し、力をあわせることになる。
この巻の、一番の魅力は、やはり末姫の物を作り出すことへの情熱だろう。彼女の不器用までに熱い思いが、人々を災獣をも動かす。
最初、大地も人の心も荒れ果てていたこの世界が、少し龍神の目指す楽土に近づいた。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ他国に干渉され、荒れ果てた国がある。
国を取り戻そうとする人々がいる。
そして国を治める獣がいる。
和風(もしくは中華風)で、神獣(この物語では災獣という)が登場すると、設定がどういったものであれ、どうしても十二国記と比べられてしまうだろうな、と思う。その点は、この題材を採る書き手さんの評価に対して不利になってしまうところ。
設定が緻密である一方で、テンポよく、分かりやすい文章だ。とは言っても、ライトノベル的な軽い文体ではなく、どちらかというと時代小説的な地道な感じとでも言おうか。会話ではなく、地の文でじっくり物語を進めていくタイプだ。
キャラクタはよく動き、主人公含め、周囲の人々は気持 -
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